中国の出国者数については中国政府移民管理局やアリババの旅行サービス「Fliggy(飛猪)」、アントの「アリペイ(支付宝)」の調査から、「中国人の海外旅行は2019年相当まで戻る」と発表していました。日本政府観光局(JNTO)の公式発表でも中国人観光客の数は前年度よりかなり上がってきているとわかります。再び戻った中国観光客の買い物へのニーズはまだ継続していますが、新たな観光トレンドはあるかについて、catalyst-crossing編集部が中国情勢とデータに基づいて紹介いたします。
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A.中国人観光客:2024年訪日人数が増加しつつ、旅行ニーズが変わりました!
去年末から、「中国の景気が悪い」、「福島第一原発処理水の問題を心配している」、「中国国内のハルビンなどへの観光が盛り上がっている」といった理由から、2024年は訪日中国人がそれほど回復しないだろうと予測が少なくなかったが、実際に2024年2月、中国の訪日中国人数は45万9400人であり、 対2019 年同月比 63.5%、前年同月比(2023年2月)1166.1%増、前月比(2024年1月)9.5%増となりました。
B.中国人観光客:訪日目的の変化及び体験ツアーの多様性を求める
日本政府観光局(JNTO)が発表したデータに基づいて、訪日中国人観光客の特徴においては、所得層で上海や北京といった一二線大都市の在住者が比較多く、年齢別においては20〜40代の割合が82.8%、学歴別においては大学生や大卒の割合が約74.4%と多数派で、職業別では学生のほかには、会社員や個人経営者が多く年収は10万〜30万元(約210〜500万円)となっています。
また、中国の越境ECが発達しており、日本商品は中国でも簡単に購入できるため、訪日観光の際に、観光スタイルは買い物から少しずつ体験ツアーに移り始めました。中国のライフスタイルやアイテムの情報を発信するSNSアプリ「RED(小紅書)」に「日本旅行」を検索したら、東京や大阪などの大都市のツアー内容のみならず、日本地方への旅行攻略もたくさん見られます。
さらに、現在ブームになっている、「スキー」も中国観光客の訪日観光目的の一つとなります。例えば、六甲山スノーパークでは、中国からの観光客が増え、約2万人にまで増加しているとわかりました。それに、各地のスキー場では、中国語表記が多くなったり、スキー場で流れるレクチャー動画も中国語字幕付きで流れたり、それにスキー場の公式サイトも中国語にも対応しているとみられます。
特に花見やゴールデンウイークにおいては、中国観光客は訪日の際に、限定商品を購入するほか、シーズン限定の体験ツアーも訪日観光の主な目的になるのではないかと考えられます。
一方、3月中旬に中国の春秋航空のサイトで上海浦東国際空港-関西国際空港線の航空券をチェックすると、最も安い日の片道航空券がわずか8元(約160円)となってることを発見しました。閑散期の訪日観光需要を喚起し、日本の各シーズンの景色や体験は今後インバウンドの主な目的になっていくでしょう。
まとめ
2024年に向けて中国人の訪日観光客はまだ増えるものの、経済不況や越境ECの発達に伴い中国観光客の消費マインドが大きく変わったため、海外旅行の買い物においてはより理性的な消費観になっていき、重点は旅行体験に移っていくでしょう。
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