訪日中国人のインバウンドデータと動向: 2023年度旅行消費額は5兆2,923億円、過去最高記録

訪日中国人のインバウンドデータと動向: 2023年度旅行消費額は5兆2,923億円、過去最高記録

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2023年度新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、インバウンド訪日観光客が8割戻ってきて、創出した旅行消費額も過去最高記録となりました。その中で、注目されている訪日中国人観光客の回復具合はどうなっているでしょうか?日本旅行のピークは再び訪れるのでしょうか?この記事では、日本政府観光局(JNTO)が発表したデータに基づいて、中国から日本への航空現状、ビザ申請状況と中国の旅行市場などを合わせながら、catalyst-crossing編集部が訪日中国人の最新動向をご紹介いたします。

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I. 訪日中国人のインバウンドデータと動向

A.訪日外客数推移(2023年12月):訪日客数273万突破、コロナ禍以降で最多を更新

日本政府観光局(JNTO)が1月17日に発表した2023年12月の訪日外国人数*(推計値)は273万人を突破し、273万4,000人となり、これは2019年同月比で108.2%に相当します。

訪日の国・地域のトップ10は韓国(782,700人)、台湾(399,500人)、中国(312,400人)、香港(251,100人)、米国(183,200人)、タイ(125,800人)、豪州(89,500人)、フィリピン(79,100人)、インドネシア(63,700人)、マレーシア(60,800人)です。トップ5で、訪日外国人数の88%を占めております。

B.2023年度の訪日外国人旅行消費額(速報):5兆2,923億円、過去最高記録

日本政府観光局(JNTO)が2024年1月17日に発表した2023年の訪日外国人旅行消費額は2019年比9.9%増の5兆2,923億円と推計されます。

2023年度の費目別に訪日外国人旅行消費額の構成比をみると、宿泊費が34.2%と最も多く、次いで買物代(26.4%)、飲食費(22.6%)の順で多い。2019年同期と比べると、宿泊費と飲食費の構成比が増加し、買物代の構成比が減少したとみられます。

C.1人当たり費目別旅行支出(2023年10~12月):1兆6,688億円(2019年同期比37.6%増)、2019年に比べ、1人当たり消費額が大きく増えている

訪日外国人観光客の1人当たりの費目別旅行支出についての動向に関する情報が示された「日本政府観光局(JNTO)の訪日外国人消費動向調査 集計表 2023年(10~12月期1次速報)」によれば、訪日外国人旅行消費額は1兆6,688億円(2019年同期比37.6%増)と推計される。国籍・地域別では、台湾が2,325億円(構成比13.9%)と最も大きく、次いで中国2,322億円(同13.9%)、韓国2,145億円(同12.9%)、米国1,879億円(同11.3%)の順である。

2023年10-12月の1人当たりの消費額は16.6万円程であり、これはコロナ前より37.6%増加しており、2019年に比べ、訪日外国人1人当たりの消費額が大きく増加していることが明らかになっております。この増加の理由として、円安と海外物価の上昇によって、日本の円ベースの物価が相対的に割安になっていることが挙げられます。さらに、注目されているのは、費目別では、宿泊費は米国、飲食費は韓国、交通費は米国、娯楽等サービス費は台湾、買物代は中国が圧倒的に高いとわかります。

一方、上記2023年10-12月「一般客1人1泊当たり費目別旅行支出_TOP5の国」のデータによれば、1人当たり消費額のTOP5を占める国々は、米国からの訪日客は宿泊費用が最も多く占めております。「訪日外国人消費動向調査集計表2023年10-12月(一次速報)」データによると、1人当たり1日1泊1万以上で、中国、米国からの訪日外国人観光客はそれぞれの平均宿泊日数が10〜12日となっており、宿泊費が1人当たり10万円以上を支出しているとわかります。

また、宿泊費用以外の特に注目すべき点として、中国からの訪日客の買い物費用が挙げられます。2019年のコロナ前のデータによれば、中国からの訪日客の1人当たりの買い物代金は10万8,788円でしたが、調査対象期間の2023年では1人当たりの買い物支出は12万9,015円に達しており、かなり増加したとみられます。

近年、観光業界では「モノ消費」から「コト消費」へ進んでいるとされていますが、実際のデータを見る限り、中国からの訪日客では依然として「モノ消費」が主流であり、他の国々よりも最も多くの買い物を行っていることがうかがえます。

D.中国人の訪日データ

中国はコロナ以前から訪日旅行客が最も多い国でしたが、ビザ規制緩和の影響もあり、12月の訪日中国人数が31万2,400人(対2019年同月比44.0%)となっています。そして、最近航空便の増加もあり、コロナ後初めての春節に向けて海外旅行の需要が増える傾向があるため、訪日中国人はさらに増えていくと考えております。

訪日中国人の属性と旅行内容

2023年10〜12月の訪日中国人の年代別構成比について、男性「30〜39歳」が17.6%、女性「30〜39歳」が18.3%で最も多いです。2019年に比べて、2023年の訪日中国人客は年齢が上がっており、20代以下の学生・若者は減少しております。理由としてはビザ取得条件により、一定の経済力を持つ中国人が訪日しやすいと考えられます。

訪日中国人の居住地

上海からが約42.8%を占め、続いて北京、広東省、江蘇省、山東省、遼寧省などの日本に距離的に近い地域や経済が発展している地域が大半を占めています。これは訪日中国人の消費額がコロナ以前より増加していることと繋がっていると考えられます。

訪日回数

10月〜12月の訪日中国人は、リピーターが72.1%を占め、2019年の50%より大きく増加しています。リピーターの増加により、モノ消費が続きながら、日本でのディープトラベルやマイナーな地方への観光、コト消費へ進んでいくなどトレンドが期待できると予測できます。

滞在日数

7日間以上の中長期滞在者が55.6%を占めています。2019年のデータでは6日間以内の短期滞在者が過半数を占めており、コロナ後の日本での滞在日数は以前より長い傾向にあるのが分かっています。

日本への主な来訪目的

「観光・レジャー」と「ビジネス」と「親族・知人訪問」が全体の約85%超を占めており、「観光・レジャー」は全体の62.5%であり、2019年の76.8%と比べて、2023年の訪日観光客の回復はまだこれからでしょう。

費目別旅行支出

一般客の費目別旅行支出では、「買い物代」が旅行支出の約43.1%を占めております。2019年以前の中国人の日本での「爆買い」が終わっていると言われていますが、他の国からの訪日客の買い物代と比較してみると、訪日中国人の購買力は依然として旺盛であることがうかがえます。

購入実態

訪日中国人の費目別の購入率を見ると、「菓子類」が70.6%、「化粧品・香水」が50.2%、「衣類」が40.2%という順になっております。「菓子類」の割合が一番高く、それは現状、ビジネスビザで訪日中国人が多く占めているため、お土産のニーズが高まる理由になると考えられます。

また、2019年購入率81.9%もある「化粧品・香水」と比べて、かなり減少しているとわかります。理由としては、越境ECと中国国産ブランドの発展に伴い、日本の化粧品に対するニーズが減っていると考えられます。また、中国の物価上昇につれ、「衣類」は中国より日本のほうが、質がよくて値段が安いため、今後中国訪日客のニーズが増々高まっていくと予想されます。

II. 訪日の航空券とビザ申請の状況

2023年の訪日観光客の回復はまだこれからとされる中、現状においては訪日観光客に影響を与えるのが、航空券やビザ状況についてはどうなっているのでしょうか?下記は日中のニュースやレポートを取り上げながら、最新の訪日要素をお伝えします。

A.航空券

最近、各航空会社は中国の主要都市からの便数を増やし、地方都市と中国を結ぶ航路の再開も進んでいます。上海〜福岡間の復便、上海〜関西間の増便、北京〜羽田間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にあります。

特に、2023年12月18日からジェットスター・ジャパンは、成田~浦東(上海)線の運航を約4年ぶりに再開し、週4往復で運航すると発表されました。さらに、片道の運賃は1万3390円からとチケットの値段が安くなり、購入もさらにしやすくなることで、今後中国訪日客数の増加に繋がっているとわかります。

B.ビザ状況

2023年7月13日以降の個人観光ビザ(一次)がすべて電子ビザに切り替わりましたが、システム上の申請時間と手続きがあるため、訪日客数の増加に大きな影響を与えていないようです。また、10月11日以降、個人観光ビザ申請が再開することになりましたが、ビザの申請資料は経済条件を満たす必要があるため、短期的には個人旅行客の訪日客数の増加が難しい状況です。ただし、ビジネスビザや親友訪問ビザは緩和されているため、訪日客人数の中でかなり高い割合占めていると考えられます。

Ⅲ. 中国のインバウンド回復はまだこの先なのか?

訪日中国人市場の現状として、上述の日本政府観光局(JNTO)のデータ、航空とビザ情報から考えると、春節における観光客数がさらに増加する可能性があると見込まれます。中国政府の日本個人旅行ビザがコロナ前と同じように回復するのにはまだ時間が必要ですが、ビジネスや親友訪問ビザで訪日中国人の数に影響を与え続けていくと予想されます。ただし、円安と日本観光の魅力などにより、需要は非常に大きいため、ビザ緩和と日本旅行サービス解禁はもうすぐ来るはずであり、大きなピークが訪れるでしょう。


参考資料:

訪日外国人消費動向調査「2023年年間値の推計」※速報

訪日外国人消費動向調査「2023年10~12月期」※1次速報

訪日外客数(2023年12月および年間推計値)

【速報】12月訪日客数273万4,000人、コロナ禍以降で最多を更新!2023年間訪日観光客2,500万人を突破

ジェットスター、成田〜上海線を4年ぶりに再開。片道1万3390円から

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