日本政府観光局(JNTO)が発表したデータに基づいて、2024年4月〜6月の中国の海外旅行市場、インバウンド消費動向を合わせながら、catalyst-crossing編集部が訪日中国人の動向をご紹介いたします。
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I.訪日外国人のインバウンドデータと動向
1)訪日外国人旅行消費額(速報2024年4月~6月):2兆1,370億円超え、2023年同期比73.5%増、2019年同期比68.6%増
2024年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆1,370億円(2023年同期比73.5%増、2019
年同期比68.6%増)と推計されます。国籍・地域別では、中国が4,420億円(構成比20.7%)と最も大きく、次いで米国2,781億円(同13.0%)、台湾2,639億円(同12.4%)、韓国2,232億円(同10.4%)、香港1,743億円(同8.2%)の順となっています。
2)訪日外国人旅行消費額(速報)
・費目別にみる訪日外国人旅行消費額
費目別に訪日外国人旅行消費額の構成比をみると、宿泊費が33.0%と最も多く、次いで買物代(31.1%)、飲食費(21.8%)の順で多いことになります。それに、2023年同期と比べると買物代の構成比がかなり増加したとみられます。
2024年4-6月期(1次速報)の訪日外国人旅行消費額データによると、訪日中国人の消費額は旅行消費額のなかで49.9%占めており、2019年同期比4.8%減であるが、2023年同期比186.9%増となっており、まだコロナ前に同水順に完全に戻っていませんが、ほぼ回復できているといえよう。
・訪日外国人1人当たり旅行支出
「日本政府観光局(JNTO)の訪日外国人消費動向調査 2024年(4〜6月速報)」によれば、訪日外国人(一般客)1人当たり旅行支出は23万9千円と推計されます。
国籍・地域別にみると、フランス(41万8千円)、英国(41万7千円)、オーストラリア(40万円)という高い順になっています。
費目別(全目的)では、宿泊費は英国、飲食費はイタリア、交通費はスペイン、娯楽等サービス費はオーストラリア、買物代は中国が最も高いとみられます。
3)訪日中国人の訪日データ
・訪日中国人の属性
2024年4〜6月の訪日中国人の年代別構成比においては、男性「20〜29歳」が13.8%、女性「30〜39歳」が21.6%で最も多いです。2024年1〜3月の訪日中国人の年代別構成比に比べ、女性の構成比の順は変わらず「30〜39歳」ですが、男性の構成比の順が元々の「30〜39歳」から「20〜29歳」に変わりました。ビザ申請緩和制度の影響で、中国人の訪日年齢層も若年になっている傾向があるとうかがえます。
・訪日中国人の居住地
2024年4〜6月の訪日中国人の出身地の構成比においては、最も多いのが上海市約26.7%を占めており、続いて浙江省(14.7%)、北京市(9.5%)、広東省(9.5%)、江蘇省(9.0%)という順になっています。このデータに基づくと、日本に距離的に近い地域や経済が発展している地域が大半を占めているとうかがえます。それも訪日中国人の消費額がほかの国と地域と比べて、最も多く占めている理由だと考えられます。
・訪日回数
2024年4〜6月の訪日中国人の構成比においては、リピーターが60.2%を占めており、2024年1月〜3月と比べてリピーターの訪日中国人は4.2%減となりましたが、初めて訪日しにきた中国人が前期比増加したとみられます。5月のゴールデンウイークという長期休暇があり、さらに6月端午節休暇もあり、ビザ緩和及び円安により、初めて日本を訪ねて観光することを選んだ中国人やリピーターも多くなった理由だと思われます。
・日本への主な来訪目的
「観光・レジャー」と「親族・知人訪問」が全体の約89%超を占めており、「観光・レジャー」は全体の82.7%であり、2024年1月〜3月と比べて1.4%増加したとわかりました。
・費目別旅行支出
中国人の1人1回当たり旅行消費単価は(平均)28万6千円超であり、そのなかで「買い物代」が旅行支出の約48.5%を占めており、1人当たり13万8千円超えとなり、2024年1〜3月の訪日中国人の買物代額(1人当たり12万8千超)とくらべても、更に1人当たり1万円増とわかりました。他の国からの訪日客の買い物代と比較し、訪日中国人の購買力は依然として旺盛であることがうかがえます。
・購入実態
訪日中国人の費目別の購入率を見ると、「衣類」が42.5%、「化粧品・香水」が34.2%、「医薬品」が12.9%という順になっています。「衣類」の割合が最も高い理由としては、4月〜6月は季節の変わり目で、良質な日本製商品(衣類)を購入する中国人が多いと予想されます。また、円安のため、ブランド品(衣類や化粧品など)を購入するのも日本旅行の一つの目的だと考えられます。
Ⅱ.中国の海外旅行市場について
JNTOが公表した6月の訪日中国人のデータによると、訪日中国人は660,900 人(前年同月比 216.9%増)であった。中国の水際規制緩和や地方路線を含む増便等の影響もあり、訪日外客数は前年同月を上回った。特に、北京〜関西間の増便、青島〜関西間の増便、無錫〜成田間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月を上回っています。
一方、中国文化観光省の統計によると、今年の端午節休暇期間における中国の団体ツアーと個人旅行の注文数の差がかなりあることがわかりました。個人旅行を選択する中国人観光客が増えており、海外旅行が最も人気です。
今年のゴールデンウイークと端午節の休暇に関しては、「フリギー(飛豚)」のデータによると、個人旅行の海外旅行の割合は80%以上に達しました。
そのなか、「日本旅行」は中国人の海外旅行先ランキングでいつも上位になっており、同じアジア文化としての馴染みやすさ、海外旅行先としては日本がいい選択だと考えられます。また、日本の良質の商品・サービスへの好感度及び円安の影響で、買い物は訪日中国人にとっても旅行際に欠かせないことだと思われます。
参考資料:
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