2023年度には、インバウンド訪日観光客の回復が8割になっており、旅行消費額も過去最高記録となりました。その中で、注目されている訪日中国人観光客はどうなっているでしょうか?この記事では、日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年のデータに基づいて、中国メディアが発表した中国人の消費動向データと合わせ、catalyst-crossing編集部が今後訪日中国人の日本での消費現状とニーズを紹介します。
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観光業界では「モノ消費」から「コト消費」へ進んでいるとされていますが、実際のデータを見る限り、中国訪日客では1人当たり旅行支出は買物代が12万円近くあり、消費総額の37.3%占めており、「モノ消費」がまだ主流であることが言えよう。さらに、中国訪日客は他の国々と比べて、最も多くの買い物を行っており、2023年訪日人数が一番多い韓国と比べて、5倍程もあります。さて、訪日中国人は何を買っているかを見てみましょう。
最新の2023年の10-12月のデータを見てみると、円安と良質な日本製品のため、中国訪日客が買っている商品の多い順は「靴・かばん・革製品(10.2%)」、「化粧品・香水(8.7%)」、「衣類(7.2%)」がTop 3となっています。4番目に多かったのは「お菓子類(3%)」というのが少し意外でしたが、それについて今後中国訪日客の日本商品へのニーズについては、訪日外国人消費動向調査データと中国側のデータと合わせて見てみましょう。
訪日中国人の消費動向データによると、お菓子はお土産として購入する比率も高いとみられます。また、訪日中国人の年齢層と地域を見てみると、20代〜30代の若者のほうが比較的多く、上海や広州などの大都市からの人の比率が多いとわかります。
一方、中国商務部のデータによると、コロナ以降の2020年の中国お菓子業界の総生産額3万億元を超え、2024年の国内のお菓子業界の総生産額は4万億元を超えると予想されます。さらに、中国のiimediaの中国人オフライン消費データからみると、お菓子文化が盛んになっているのは中国の南方地域であり、訪日中国人の出身地とほぼ一致しています。訪日中国人の消費額の中で、お菓子の購入額が4位になっているのは、元々お菓子を買う習慣があることに繋がっているのではないかと思われます。
訪日中国人は日本のどんなお菓子を求めて、どこから情報を入手しているでしょうか?現在、中国の若年層は旅前・旅中で、RED(小紅書)やTikTokなどのプラットフォームを利用して情報収集し、商品をシーディング(种草)するのが主流である。
新型コロナウイルス感染症が始まってから約4年間を経て、中国人は健康に対する関心が増々高まっていき、お菓子を購入するときにおいしさを求めるだけでなく、食品の健康・安全性も重視しています。
iimediaのデータによると、中国人の7割はすでにお菓子やコーヒーなどを買うのが習慣になっており、2023年に「お菓子」という言葉がTikTokでの検索平均数は223.7万回あり、アプリ内の検索カテゴリーの中で上位でした。注目すべきなのは在日中国人が配信したショート動画のなかで、「日本のお菓子」に関する検索も多くみられます。
さらに、検索最多のキーワード「お菓子の値引きやセット」のほか、「健康お菓子、お菓子・食品安全」といった言葉も検索上位となっており、中国の若者たちはお菓子のおいしさを求めるだけでなく、食材の健康・安全と値段が非常に気にしています。中国人は旅行に行くときに、家族や友人にお土産をあげる習慣があります。
日本の食品安全は世界中で知られており、化粧品や鞄などの高額なモノより、お菓子のほうがお土産として適当である。また、訪日中国人の中で最も多く占めている20代〜30代の若者は訪日の際に「日本0糖質0脂肪の健康なおいしいお菓子」をお土産として、中国にいる親友たち(特に50代以上)にあげるのがニーズとして最も相応しいと考えられます。特に、春節や中秋節など団欒する時期においては、健康なお菓子が欠かせないモノとなっていき、訪日中国人の日本お菓子への需要は、これから増々拡大していくのではないかと思われます。
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