近年、消費観念の変化に伴い、中国の若者は前払い式消費に対する警戒心を高めており、単発消費モデルが急速に台頭している。ジムの会員カードや他の前払い式サービスに関しても、若い消費者はより柔軟で個別化された消費スタイルにシフトしている。
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Unsplash:Danielle Cerullo撮影
「5KM」破産事件:預付費模式的信任危机
「5KM」ダンススクールは、かつて江浙滬地域でトップクラスのダンスレッスンを提供し、30店舗以上の教室と毎月1万回以上のレッスンを展開、多くの会員が数千元から数万元に及ぶ前払いを行っていた。しかし、2024年6月、「5KM」の破産が突如として明らかになり、「#5KM倒閉(5KM倒産)」のハッシュタグが微博(ウェイボー)や小紅書(シャオホンシュー)などのSNSで大きな話題となり、微博のホットトピックにもランクインした。会員たちは前払いした費用が返還されないことに気づき、教室が次々と閉鎖され、一部の教室では電話すらつながらなくなった。
この破産騒動は、会員に経済的な損失をもたらしただけでなく、従業員にも深刻な影響を与えた。報道によると、一部の従業員は4月以降給与を受け取っておらず、年金などの保険の支払いも2月までで止まっている。また、数万元の報酬を受け取れていないというトレーナーもいる。こうした前払い式モデルが抱えるリスクは一例に過ぎず、ここ数年で一兆韦德、金宝贝、梵音瑜伽、卡莫瑜伽、SPACE健身などの大手ブランドの倒産が相次いだことで前払い式消費への信頼危機はさらに顕著になっている。
特にフィットネス業界では、同様の事例が頻発し、消費者と従業員に大きな経済的負担を強いている。このような企業の連鎖倒産は、前払い式モデルの脆弱性を浮き彫りにし、消費者は店舗の倒産によるサービス停止のリスクや、長期に渡る複雑な返金手続きに直面している。
未来消費トレンド:一括消費与智能化健身の台頭
「2022年中国フィットネス業界レポート」によると、現在では「都度払い」方式が全体の36%を占め、長期会員制に次ぐ第二の支払い形式となっている。「classpass」などのプラットフォームは、北京、上海、広州、深センといった都市で高い人気を集めており、ユーザーはポイントを利用して柔軟にフィットネスコースを予約できるため、高額の一括支払いを避けることが可能だ。この柔軟性は、透明性と自主的な選択を重視する若年層の消費者のニーズにマッチしている。
筆者の友人も、「一兆韋徳」フィットネスに数万元の年会費を前払いしていたが、店舗が倒産し、返金が難航したことで、前払い式年会費制度に対する信頼を完全に失ってしまった。現在では、「楽刻(無人フィットネスジム)」のように、月額制や単回払いが可能なフィットネスジムを選んでいるという。
さらに、各市もスマートコミュニティのフィットネスセンターの整備を推進している。例えば常州市のスマートフィットネスセンターでは、年会費が不要で、ユーザーはスマートフォンで予約するだけで自助形式のトレーニングを行うことができるため、従来のフィットネスジムでの営業勧誘の煩わしさを避けられる。このようなスマート化、自助化されたモデルと単回払い方式の組み合わせは、個性や利便性を重視する現代の若者のニーズに合致している。
pixabay:ghasoub撮影
まとめ
95年生まれの消費者が市場の主要層となる中、都度払いは支払いにおける主要方式へとなりそうだ。今後、事業者は若い消費者のニーズに応えるため、より柔軟でスマートなサービスを提供することが求められる。前払い方式は市場から徐々に姿を消し、代わりに、柔軟な支払い方式と質の高い体験が主流となるだろう。
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