UnsplashのRalph Hutterが撮影した写真

中国の乗用車市場におけるローカルメーカーの勢い

中国では近年国産メーカーによる市場占有率が右肩上がりで伸びており、それに伴い海外ブランド勢は軒並み勢いを失っている。

実際に中国で住んでいる中でもここ数年の国産メーカーの勢いを実際に感じることが多い。

特にここ数年で中国ではEVが主流となってきており、これも国産メーカーの勢いに拍車をかけている。

例えばマンションの駐車場に停まっている車を見れば一目瞭然である。5年前くらいにはまだまだEVは少なく、海外メーカーのがソンリン車が比較的多く目についた。

しかし、中国でEVへの優遇措置や、ガソリン車に対する規制が始まってからは国産メーカーのEVをかなり多く見る様になり、車を購入する人たちの選択肢も国産メーカーEVへと急速に変化していった。

現在は中国メーカーEVが日本にも進出しているので日本でも見ることはできると思うが、現在中国の国産EVメーカーは数も多く、群雄割拠の時代である。

EV市場における今年の大ニュースとしてはスマホや総合家電メーカーとして活躍している「小米」がEV市場に参入し、話題を集めただけでなく、販売開始27分で5万台を受注したという実績もしっかりと残した。最近では街で「カッコ良いな」と目につく車も中国国産メーカーのEVが多く、デザインもかなり洗練されているので海外メーカーの苦戦も理解できる。

そんな群雄割拠の中国EV市場において、各社の打ち出す差別化の視点は中国独特である。

UnsplashのYRKA PICTUREDが撮影した写真

自撮り機能・カラオケ装備は当たり前？

実際に中国のEVに乗った時にこんなユニークな装備があった。

＜カラオケ機能＞

そもそも日本メーカー車にこの様な装備があるかどうかは詳しくないが、おそらく車の装備として本格的なカラオケ機能が備わっているものは初めて体験した。

いわゆるマイクがあり、実際のカラオケと同じである。エコーもかなりしっかりとしており本格的なのである。

中国の商業施設等々には一人カラオケブースが結構設置されているが、やはり車においてもこの様なニーズは高いとことであろうか。

またこの様な装備はファミリーカーとして利用する上子供達にもウケているようだ。

②自撮り機能

これも中国独特だなと感じた機能だが、車内映像の自撮り機能も装備されていた。

正直「いつ使うのか」と思ってしまうものの、これもやはり自撮りや写真が好きな中国人のニーズを捉えるための装備の1つであろう。

実際に撮ってみると車内がしっかりと写っており「いつ使うのか」という回答は出せなかったが、中国のEV車はもはや走るスマートフォン（端末）を目指しているのでこう考えると写真機能が付くのは自然な流れなのであろうか。

「小米」のEV車も同メーカーの家電等を車の中から操作できる、等の機能もあり、家でも外でも「小米」が生活を管理してくれる、という戦略である。

UnsplashのBram Van Oostが撮影した写真

まとめ

中国のEV車に搭載されている装備はまだまだこんなものではなく、冷蔵庫をはじめ、ゲーム、マッサージチェア、化粧台、等々、走る端末から走る居住空間にまで進化しようとしている。

そんな中国の激しい競争の中ではもちろん淘汰されていくメーカーも多く、この前まで勢いのあった新しいメーカーが急に倒産するようなことも実際にあった。

ただ、この様な国産メーカーの中国人ニーズの掴み方は非常にうまく、これまでの様な「車」を作り続けている海外メーカーはもはや手の打ちようがないほど追い詰められていると言っても過言ではないだろう。