実はここ数年、中国ではピアノの販売・生産減少というニュースが相次いで煽り、今年2024年も非常に厳しい年となりそうだ。以前、中国は世界でピアノを習う子供の8割が集中するとされるピアノ大国であり、各国のメーカーにおける主戦場となっていた。
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UnsplashのAmir Dorehが撮影した写真
中国におけるピアノ市場の変化
実はここ数年、中国ではピアノの販売・生産減少というニュースが相次いで煽り、今年2024年も非常に厳しい年となりそうだ。以前、中国は世界でピアノを習う子供の8割が集中するとされるピアノ大国であり、各国のメーカーにおける主戦場となっていた。
しかし現在、中国のピアノ生産・販売は19年の39万台から23年には16万台へと半減した。ピアノ販売店の倒産や、ピアノ教室の激減等。大きな苦境に立たされており、2024年は崖っぷちであるとまで言われている。ピアノ大国に急激な販売不振をもたらした最も大きな要因と言われているのが受験での加点廃止である。実はピアノ大国になった背景には2008年当時に始まった中・高受験での芸術加点の始まりであった。
これは受験の際に芸術点として加算されるというものであり、本科目をカバーできるというものである。
中国経済の成長も手伝い、この当時には約4000万人がピアノのレッスンを受けていたと言われており、芸術=ピアノという印象と共に、中間所得者層にとって手の届くぜいたく品となった。
UnsplashのJonathan Chngが撮影した写真
ピアノ市場の現状
しかし、2018年以降からこの芸術加点の制度が段階的に廃止され、現在に苦境に至るそうである。また景気低迷も追い打ちをかけ、消費者の間で必需品以外の需要が縮小していることが急激な落ち込みの要因となった。ピアノ販売や、ピアノレッスンはこの様な背景に合わせて徐々に減少していった。
現在、ピアノ販売店はかつてない値引きをおこなっているにも関わらず店内はガラガラであり、中古のピアノもたくさん手価格で販売されているものの、全く売れない状況だと言われる。実際に見てみると確かに中古ピアノとして日本円で数万円で販売されているものも多く、日本で中古ピアノを探してもなかなか見られない価格で販売されている。
また中国の子供は学業面でのプレッシャーが大きく、ピアノが受験時の加点とならない状況下では選択されなくなり、どちらかといえばスポーツをさせたいという親も増えているようだ。
まとめ
現在のピアノの販売・生産減少は政策、景気の両面が要因となっているものであり、ここからの巻き返しはなかなか難しそうである。
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