中国における購買行動について、インターネット上では「中国ではインターネット上での購買がほとんど・・・」という様な情報が多く出ているものの、実際の背景についてはなかなか中国にいないと掴めないものである。現状のオンライン購買拡大の要因や最近の購買行動プロセスについて、現地にてわかる背景や要素についてご紹介したい。
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UnsplashのBruno Kelzerが撮影した写真
中国におけるオンライン購買と背景
中国における購買行動について、インターネット上では「中国ではインターネット上での購買がほとんど・・・」という様な情報が多く出ているものの、実際の背景についてはなかなか中国にいないと掴めないものである。
現状のオンライン購買拡大の要因や最近の購買行動プロセスについて、現地にてわかる背景や要素についてご紹介したい。
わかりやすく日本との比較で述べてみると、オフライン店舗の圧倒的なバリエーションの少なさが挙げられるだろう。
少ないというと言い方はやや語弊があるかもしれないが、ここ中国ではオフライン店舗といえば、ほとんどが日本のデパートの様な大型商業施設、もしくは小さな個人商店がメインとなる。
更に、品数においてもオフラインで購入できるものは限りがあり、オンラインとの利便性の差が顕著である。
上海を例にすると大体の駅付近には大きな商業施設がある。
テナントとして入っているのはいわゆる有名ブランドや海外ブランド(ユニクとや無印良品もかなり多い)が入っている。また、商業施設ごとの特色や入っているテナントというのはあまり変化はないため、商業施設で買い物するということは、比較的大きな予算での買い物orレストランでの外食となる。
もちろん場所によっては路面店がないわけではないが、それこそ日本のように何メートルごとにコンビニや、ドラッグストア、各種のバリエーション豊富なオフライン店舗あるような環境ではない。また、日本の渋谷や原宿、表参道に代表されるようなショッピングスポットも店舗数は限定的であり、物によってはオフラインでの購買は欲しいものが手に入るかどうかが不確定である、という環境がある。
この様な状況においてオンラインの方が割引もあり価格的メリットもあることから、中国におけるオンライン購買は圧倒的な利用率を誇るのである。
もはや、毎日の食材等や消耗品、どんな小物であってもオンラインで済ませるというのが一般的である。
UnsplashのBrooke Larkが撮影した写真
オンライン購買の選択肢とプロセス
中国のオンライン購買においてはご存知の通り圧倒的な市場を持つビックプラットフォームの存在が有名である。
タオバオ、天猫、京東、ピンドゥオドゥオ(拼多多)というビックプラットフォームがあり、全ての買い物はここで完結する。
この様なオンライン購買が確立した初期ではタオバオや天猫の様なアリババ系のプラットフォームが独占していたが、現在では都市レベルによっても利用されるプラットフォームに違いが出てきており、激しい競争が繰り広げられている。
また、これに加え、RED、DOUYIN(TIKTOK)の様なSNSプラットフォームが近年ではEC機能を拡大したことで更にオンライン購買の選択肢が増えている。
特に中国でのDOUYINのユーザーは月間で約8億人のアクティブユーザーを抱え、購買の入り口はECからSNSへと展開しつつある。
上記に述べた様にオンライン購買の入り口はECからSNSへと移り変わり始めている。
オンライン購買にフォーカスして日本と比較した場合、日本では若年層がインスタグラムのようなSNSで検索しする、という傾向が多いが、まだGoogleで検索する人も多い。日本ではAmasonやYhoo、楽天の様なECプラットフォームがあるが、更にメーカー直運営のECサイトも多くオンライン購買の入り口はかなり乱立してる。
ただし、中国のGoogleと言われる百度に関しては少し状況が異なる。
例えば指名買いであればほとんどがタオバオ、天猫、京東、ピンドゥオドゥオの様なビックプラットフォームでの検索→購買という様な流れとなる。
何か欲しいものがあるが、購入対象が決まっていない、という様な状況であれば現在はSNSプラットフォームでの検索がメインとなる。
その為、REDの様なプラットフォームにおいてはとにかくCGMをベースに自社製品に関する情報がきちんと上がってくるような状況を作り上げる必要がある。つまり、百度検索からの購買、というプロセスは一定数存在するものの、オンライン購買においてはやはりECやSNSが主戦場となっている。
UnsplashのTamanna Rumeeが撮影した写真
まとめ
このように見てみると、中国におけるオンライン購買のプロセスは複雑に絡み合うように見えるものの、実際には各プラットフォーム間の遷移ができない等の規制が多く、それぞれのプラットフォームにおける完結型となる。近年は徐々にこの様なプラットフォーム間の規制も緩和の方向に向かっていると言われているものの、実際にはまだまだ厳しく規制されている。
中国のプラットフォームはそれぞれ「日本でいうところの〜」のような名前がつくがマーケティング的な使用方法にはギャップもあるので要注意である。
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