1月31日に観光庁は、2023年12月の延べ宿泊者数(第1次速報)を公表しました。12月の延べ宿泊者数は5,149万人泊で、前年同月比9.4%増となりました。catalyst-crossing編集部は宿泊旅行統計データに基づいて、外国人宿泊状況と今後のインバウンド情報について説明いたします。
- X (旧Twitter) で投稿
- LINEで送る
- Facebookでシェア
- URLをコピー
A.2023年12月の延べ宿泊者数は5,149万人泊、外国人は1,214万人泊
~10月以来3ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回った~
観光庁公表したデータによると、2023年12月の延べ宿泊者数は5,149万人泊でした。また、延べ外国人宿泊者数は、前月から25万人増の1,214万人泊となりました。
外国人の宿泊旅行統計調査データによると、
11月は1,189万人泊、 2019年同月比+31.1%(前年同月比+213.3%)であり、
12月は1,214万人泊、2019年同月比+32.2%(前年同月比+106.6%)でした。
また、観光庁が11月30日に発表した、2023年10月の宿泊旅行統計調査データの延べ宿泊者数値と合わせ見てみると、3ヵ月連続でコロナ禍前の水準を上回ったとわかります。
2023年12月の客室稼働率は全体で57.9%、前年同月より3%高かったが、2019年同月比より0.8%低い結果となりました。そして、最も稼働率が高かったのはシティホテルで、71.4%で、前月比は低かったが、ビジネスホテルを上回ったことがわかります。
B.2023年の年間訪日外国人宿泊者数は1億1,418万人泊(12月のみ速報値)
1月から12月の数値を合算した、2023年の年間の延べ宿泊者数は、5億9,350万9,810人泊でした。コロナ前2019年は5億9,592万人泊で、ほぼ同じ水準まで回復しています。
一方、外国人宿泊者数は前月から25万人増の1,214万人泊(前年同月比106.6%増)となっており、2023年の年間訪日外国人延べ宿泊者数を合算した数値は、1億1,417万5,810人泊となりました。新型コロナウイルスの影響が出る前の2019年は1億1,566万人泊で、既に2019年とほぼ同じ水準となっていると言えよう。
C.2023年11月の国籍別延べ宿泊者数、引き続き韓国が1位
さらに、2023年11月の国籍別延べ宿泊者数も発表されました。国籍別では引き続き韓国が1位となっています。上位5か国は、1位の韓国に続いて台湾、中国、米国、香港の順となり、前月と変わりませんでした。しかし、前月6位だったオーストラリアと7位だったタイを上回ったとみられます。
D.今後のインバウンド:物価上昇だが、円安継続による、訪日旅行者数は堅調に推移
外国人延べ宿泊者数は1,189万人泊で、11月としては調査開始以来の最高値であった。
2019年同月比を比較すると、外国人延べ宿泊者数は三大都市圏で+42.7%、地方部で+8.1%であったことがわかります。そして、2023年11月の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、第1位が韓国、第2位が台湾、第3位が中国、第4位が米国、第5位が香港という順になり、地域で全体の56.2%を占めました。2019年同月比では国籍別に見た場合、中国とロシアを除き増加しているとみられます。
一方、2023年12月(第1次速報値)の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、韓国が1位、中国が2位、台湾が3位、米国が4位、香港が5位という順になりました。前月と比べて、中国が台湾を抜いて2位になったことがわかります。
その理由としては、日中のビザ緩和制度及び12月に入ってから、日中路線の運航の増便・再開の動きが活発であり、12月1日に羽田~北京/大興線を週7便で中国東方航空就航に踏み切ったほか、18日からLCCのジェットスターが4年ぶりに成田―上海線を週4便で再開し、片道料金1万3,390円(税別)からという格安な設定は中国訪日客の増加にも繋がっていると思われます。
さらに、円安継続のため、訪日客数が増加し、これからは中国を含めて世界中からの訪日客数が堅調に増え続けていくと考えられます。しかし、外交政策によって航空スケジュールに影響を与える可能性があるため、訪日する前に、航空路線情報は各エアラインの公式サイトを詳細確認いただいたほうが安心でしょう。
参考資料:
宿泊旅行統計調査 (2023年10月・第2次速報、2023年11月・第1次速報)
- X (旧Twitter) で投稿
- LINEで送る
- Facebookでシェア
- URLをコピー
コメント
会員登録をすると、コンテンツへのコメントができるようになります!
コメントはありません。