抖音、化粧品の「分装販売」を禁止

手軽な価格で購入できるブランド化粧品のサンプルが、多くの消費者に人気でしたが、現在、化粧品の「分装販売」（正規品を小分けして販売すること）やサンプルの取り扱いに関する規制が厳しくなっています。

最近、抖音は「分装化粧品及び化粧品サンプルの特別管理に関する通知」を発表しました。この通知によると、「化粧品監督管理条例」などの法律に基づき、化粧品業者は化粧品を自分で調合してはならず、プラットフォームのルールでは「分装化粧品」の販売を禁止しています。

プラットフォームでは、「分装化粧品」や化粧品のサンプルを販売する業者が巡回によって見つかりました。2024年3月27日以降、化粧品のサンプルを販売する際には、商品の画像に品名、登録者または記録者の名前、正味量を明示するようになり、違反の場合、店舗の退場、代金の凍結、EC権限の停止などの措置が取られます。

各大手電商、短編動画プラットフォームで多くの業者が自製の「分装化粧品」やサンプルを販売している動画が確認され、動画では、販売者が手袋を着用し、アルコールで消毒した器具を使って、リップスティック、フェイスパウダー、ハイライト、ファンデーションなどを小瓶に小分けし、手作りのラベルを貼って販売しています。

抖音の新規則により、正規のルートで入手した商品でなければ販売できず、国家の関連法規を守らなければ、退場などの処分が科される可能性があります。これにより、プラットフォーム上の自製サンプルの販売業者は収入の道が絶たれ、化粧品サンプル市場はより規範化される見込みです。

抖音プラットフォームでは、「分装」に関する話題の人気度は14.3億、「化粧品の分装」の話題の人気度は3.4億に達しています。

実際、抖音は2021年9月に「化粧品の分装」の行為により、プラットフォームルールの違反処理に関する公告を出し、多数の業者が違反操作で経営が禁止されました。公告には「分装化粧品は二次汚染を引き起こし、消費者に危害をもたらす可能性があるため、法令に従い厳しく管理する」と記されています。

抖音だけでなく、淘宝も2017年に個人による「化粧品の分装」の販売を禁止し、「化粧品監督管理条例」に基づき、化粧品の小分けする行為は製造と同等であり、化粧品製造の資格が必要だとしています。

天猫プラットフォームも2021年3月1日に「天猫サンプル商品発売規範の公示通知」を発表し、「サンプルは正規品と同じ品質を保持し、サンプル量は原則として正規品の30％を超えないこと」を明確にしました。サンプルには「試用」「お試し」「サンプル」「試用装」（お試しサンプル）、「体験装」などの「属性キーワード」を明示する必要があります。

天猫は、業者にサンプルの仕入れ証明を提供させる権利があり、証明ができなければ商品や情報をプラットフォームから削除することがあります。

分装化粧品の販売には違反リスクが伴います。ECプラットフォームは分装化粧品の販売を禁止していますが、このビジネスは盛況です。短編動画や電商プラットフォームでは、多くの「自製サンプル」が「正規品の運搬工」「試色の便利」として取引されています。

チェックを逃れるため、一部の店は実際の分装サンプル画像ではなく、正規品の公式画像を使用しています。消費者によると、分装化粧品のライブ配信が禁止された後、商家は短編動画で分装プロセスを紹介し、販売チャネルが隠れるようになりました。電商プラットフォームを迂回して消費者と直接取引する業者もいます。

魔鏡市場情報によれば、2023年5月MAT（2022年6月-2023年5月）では、化粧品、香水、化粧品ツールの旅行装/体験装の淘宝、天猫プラットフォームの販売額は2.9億元で、前年比235％増加、160.7万件が販売され、前年比111.6％増加しました。平均価格は180.7元でした。抖音プラットフォームの販売額は3009.3万元で、29.8万件が販売され、平均価格は100.9元でした。

サンプル経済市場の消費潜在力は大きいですが、規則に従わずに販売する業者は罰則や退場を避けられません。例えば、2022年3月、上海黄浦区市場監督管理局は美粧零售新物種HARMAY話梅（上海話梅楽享企業発展有限公司）に対し、ラベルが規定に合わない化粧品の製造販売で88.7万元以上の罰金を科しました。違反製品は全てブランドの小サンプルで、クラランス、コスメデコルテ、ディオールなどが含まれていました。

同年8月、厦門の2つの業者はラベルが規定に合わない化粧品小サンプルを販売し、市場監督部門からそれぞれ1万元の罰金を科されました。

昨年12月、上海屈臣氏日用品有限公司は、化粧品を無許可で分装し、中文ラベルがなく「化粧品監督管理条例」に違反したため、上海市浦東新区市場監督局から15.3万元以上の罰金を科され、包装材料も没収されました。

商家がブランドの許可なく分装小サンプルを販売することは、侵害のリスクもあります。商家の仕入れルートは専柜や貿易会社からが多く、ブランドから直接許可を得て仕入れることは難しいです。多くの小サンプルは出荷時に「非売品」のマークが付いており、使用や贈答は可能ですが、正価商品として販売することは上流ブランドの利益を損なう可能性があります。

例えば、今年2月、有名な中国化粧品ブランド彩棠は分装小サンプルを販売するネットショップに勝訴しました。該当ショップは、天猫旗艦店から大量の化粧品を購入し、ブランドの許可なく分装し、「彩棠」の商標を貼って販売していました。裁判所は、許可なく小分けすることで商品の品質を低下させ、ブランドの名誉を損なったと認定し、8000元の賠償を命じました。

さらに、2022年には有名化粧品ブランド毛戈平が「毛戈平分装製品」をオンラインで取り締まる行動を行いました。ブランドは、許可なくサンプル製品を販売している店舗に対し、関連製品を即時に下架するよう要求し、侵害行為については責任を追及する姿勢を示しました。

消費者の権利保護

消費者にとって、サンプルは真偽を見分けるのが難しいです。正規品のサンプルは通常、デパコスの付属品として提供され、単独販売されることはありません。したがって、これらの製品の出所を追跡することは難しく、品質問題が発生した場合、消費者が権利を守ることは困難です。

専門家によると、正規品のサンプルは多様な容量がありますが、偽物は固定容量の分装が多いとのことです。また、正規品及びサンプルの供給は限られているため、売上が高く、商品が豊富な試色ショップには注意が必要です。正規品市場で偽物が氾濫している中で、分装小サンプルの保証はさらに難しいです。

さらに、「自製サンプル」の衛生状態は保証されておらず、製造日や製造元などの規定情報が欠如しており、期限切れのリスクもあります。

例えば、以前の報道では、江蘇省江陰市で化粧品販売を行っていた范某と吴某が新会社を迅速に市場に出すために、サンプルに数万倍の過剰な水銀を添加し、基準を満たす正規品と一緒に販売し「迅速な美白効果」を宣伝して半年で数百万元を売り上げました。

正規品の小分けやサンプルの販売ビジネスはますます規範化され、違反業者の生存空間は縮小する一方ということです。

元記事：抖音出新规，化妆品分装的生意要凉