Iimediaによれば、先日、抖音が自社で運営する越境ECプラットフォーム「進口超市」(TikTok輸入品スーパーマーケット)を「抖音アプリ」で公開し、越境ECの拡大を図っています。「進口超市」は、自社運営のビジネスモデルを基に、抖音EC業務傘下の越境ECプラットフォームと位置付けられます。現在、「進口超市」では、マスク、拭き取りシート、アイパッチの他、計25種類の商品が販売されており、将来的には商品種類の増加も予想されています。

近年、抖音のEC業務は速いペースで成長を続けています。抖音アプリの膨大なアクセス数を活かし、優れた商品と合理的なマーケティングを通じて、プラットフォームにおける全商品とコンテンツをスムーズに連携することができました。「コンテンツ」と「商品」アクセスの相互連結も抖音EC業務のビジネス拡大に良い結果を出しています。

「货架电商」（オンラインストアで、商品を商品の種類やブランドに基づいて分類し、お客さんが自分で商品を選び、購入するモデルで経営するECプラットフォーム）の構築、ECプラットフォームのSEO対策、経営者・インフルエンサーのライブコマースに対する規制、アクセス数の増加も、抖音のEC業務が最適化と統合に向かっていることを示唆しており、新しいビジネス拡大の機会を求める段階にあることを示しています。

ライブコマースの果ては「自営EC」（proprietary E-commerce）に転換？

「自営ECプラットフォーム」（proprietary E-commerce platform）とは、自社で商品調達をし、直接消費者に販売するECプラットフォームのことです。「サードパーティーECプラットフォーム」と比べて、「自営ECプラットフォーム」は商品の品質がより保証され、注文処理が速く、物流管理がより柔軟的という優位性を持っていますので、市場の動きをキャッチし，情勢によってもっと有利にビジネスを発展できます。

最近公開された「進口超市」では、商品はすでに輸入税込の価格で表示されており、国内の総合保税倉庫から内陸の税関検査を経て、最終的に消費者の手に届きます。「自営」モデルで販売している商品の仕入れから出荷までの流れは、厳格的な基準にのっとって経験豊富な調達チームにより世界中から直接国内に調達し、供給者側からの資格審査を経て、コンプライアンス検査や税関検査を受け、最終的に抖音ECプラットフォーム公式により発送されることとなっており、抖音ECプラットフォームは一部の商品に対し、商品追跡サービスを提供しています。以前、抖音ECは「全球優選進口超市（グローバルセレクト輸入スーパーマーケット）」を立ち上げましたが、「自営ECプラットフォーム」ではありませんでした。今年3月、「全球優選進口超市招商合作规范（グローバルセレクト輸入スーパーマーケット ビジネス協力基準）」が公表され、正式に「全球優選進口超市」の事業を開始し、海外ブランドの参入・協力を求めています。今回、「進口超市」の業務展開は、抖音ECが正式に越境EC業務に参入し、「自営越境ECプラットフォーム」分野の空白を埋めることを示しています。

「学んで余力があるならば役人になって仕える」のように、EC分野で利益をもらった抖音は矢も盾もたまらずにEC領域のビジネス拡大を求めています。アクセス数とコンテンツを誇りとする抖音は「自営」のビジネスモデルを通じ、差別化した経営を構築し、新しい成長点を切り開くことができるでしょう。これにより、新しい越境ECのエコシステムを構築し、国内市場のマーケティングシェアが増えるかもしれません。「货架电商」ではない抖音はB2C(Business-to-Customer E-commerce)ECプラットフォームとして、サプライチェーン、商品品質などの面では、多くの困難に直面する恐れがあります。

現在、越境EC業界はさらなる成長を遂げており、新しい貿易手段として、越境ECは新たな経済成長を後押ししています。抖音以外にも、国内の京東、淘宝・天猫などの大手ECプラットフォームは、京東国際自営店や天猫国際自営店などの「自営越境ECプラットフォーム」事業を展開しています。各大手ECプラットフォームは積極的に越境EC業界での業務展開をし、市場競争が激化しています。

刻々と変化する、越境EC業界では、抖音が自身にとって満足のいく成績を残せることを期待しています。

元記事: 直播带货的尽头是自营电商？抖音“进口超市”平台内上线