2023年、深センは外的な圧力に対抗し、注文減少や商品価格の下落を乗り越え、海外貿易の安定成長を維持しました。これは、深センが国際ビジネス環境の改善や科学技術革新に注力し、民営企業の海外進出への支援など、独自の優位性を活かして成し遂げたものです。catalyst-crossing編集部が中国現地メディアの記事を日本語でお伝えします。
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「2023年、深センの海外貿易は着実に成長を続け、規模が安定しつつ、商品構造が引き続き改善され、強い強靭性が示しています」と深セン税関の副税関長である潘楚雄氏は、2023年1月16日に行われた広東省の海外貿易輸出入状況に関する記者会見で、このように総括しました。
税関の統計によれば、2023年における深セン市の輸出・輸入額は前年比5.9%増加し、過去最高の規模の3.87兆元を達成し、中国内陸部の都市では2位の位置を引き続き維持しました。そのうち輸出額は2.46兆元で、前年比12.5%増加し、全国輸出額の「31連覇」を成し遂げました。
関係者の分析によると、従来と比べ、2023年において深センが広東省の輸出・輸入総額を牽引する役割が大きく、先導的な役割を果たしました。データによると、2023年、深セン市は広東省の輸出・輸入総額の46.6%を占め、広東省全体の貿易成長率を2.6ポイント押し上げました。
「31連覇」を成し遂げた深センの輸出額
「2023年は色々と苦労を嘗めた年でした。」と深セン市輸出入商会の常務副会長兼事務局長である林文勝氏は、南方財経全媒体の記者に対し述べました。
国際情勢から見ると、世界的な消費不振や貿易保護主義、地政学的な対立などがさらに深刻化しており、最近では紅海の運行も阻まれています。深センは中国海外貿易の先に立つ「先頭車両」として、最も直接的な影響を受けました。
林文勝氏によると、最も影響を受けたのは注文不足などの問題に直面している深センのベンチャー企業で、これらの問題は、一部の欧米大手企業のサプライチェン構造の変化によるものと、世界的な消費不振によるものです。
しかし、全体として、深センの海外貿易の発展は非常に力強く、輸出入成長のスピードと規模は新たな段階に歩を進め、強固な適応力を示しています。特に輸出額に関しては、2023年に深センの輸出額は2.46兆元で、前年比12.5%増加し、31年間連続、中国内陸部の都市で首位を維持し、輸出の優位性はますます高まっています。
潘楚雄氏によると、2023年の深センの海外貿易は以下の5つの特徴を持っています。まず、海外貿易の自主性が強化され、保税物流の形態が良好に発展しています。2023年には、深センの一般貿易輸出入額が14.4%増加し、規模は2.08兆元に達しました。「深港物流一体化」の利点が引き続き明らかになり、保税物流は5.2%で成長し、全体の23.7%を占めています。
また、主要な貿易パートナーとの関係を維持し、一帯一路の比率を向上させています。2023年、深センは上位10か国との輸出入合計が3.04兆元で、前年比4.4%増加しました。一帯一路の共同構築国と地域との輸出入は1.3兆元で、9.3%増加し、全体の33.6%を占め、1.1ポイント増加しました。
民間企業の主体的な役割が目立ちます。2023年、深センの民間企業の輸出入は2.54兆元で、前年比12.3%増加し、全体の65.7%を占め、全国の同時期の水準よりも12.1ポイント高いです。
さらに、機械・電気製品が海外貿易における優位性が安定し、「新三様」(EV、リチウムバッテリー、ソーラーパネル)の強い競争優位性を保ちます。2023年、深センの機械・電気製品の輸出額は1.78兆元で、前年比6.7%増加し、深センの輸出総額の72.6%を占めました。機械・電気製品の中で、「新三様」の輸出額は合計887.6億元で、33.9%増加しました。
国内の生産と消費需要が持続的に回復し、関連製品の輸入が増加しています。2023年、深センの輸入消費品、半導体製造機械、大口商品はそれぞれ1349.1億元、301.6億元、238.9億元で、それぞれ3.1%、316.2%、56.8%増加しました。
林文勝氏は、「2023年、世界経済が非常に不況にあった中で、深センの海外貿易は安定し、なだらかに進んでいます。」と述べています。
2023年、中国の海外貿易は、海外注文数の減少、商品価格の転落、昨年の「高基数」などの影響を克服し、強い回復力を示しました。このような背景の中で、2023年の深センの海外貿易輸出入総額が安定した成長を続けたことは決して容易なことではありませんでした。
記者会見で、林文勝氏は、他の海外貿易額が上位の省と比較し、深センが独自の強みを持っていることを強調しました。それには、国際的なビジネス環境の持続的な改善、トップ企業の果たした牽引役、科学技術革新で民営企業の海外進出を促進し、再生可能エネルギー業界が海外貿易の発展に新たな「原動力」になることなどが含まれます。
「深センは、『国家营商环境创新试点都市』の一員として、近年、改革の第一歩としてビジネス環境の改善に取り組んできました。コスト削減、資金調達の促進、発展スペースの拡大、ビジネス環境の改善などに力を注いできました」と林文勝氏は述べました。
記者によれば、深セン税関は昨年、地域の経済特性に基づいて、重点産業の発展ニーズに焦点を当て、ビジネス環境の改善やクロスボーダートレードの促進に向けて35の措置を打ち出し、海外貿易発展の基盤を固めてきました。
また、深センの物流部門では、「海空港畅流計画」の改革をさらに深化し、新しいモデルの下で海港と空港の輸出貨物の回転効率を20%〜45%向上させ、さらに「大湾区組合港」プロジェクトを推進し、広東湾地域の9つの都市をカバーし、平均して貨物の保管期間を66%短縮し、5000を超える企業に利益をもたらしています。
深センの監管部門も、高度な技術設備の特殊な輸送要件に対応するため、専用のボーダー地域連携監視モデルを設定し、2023年には289.8億元を超える科学研究および高度技術設備の安全で効率的な輸入を確保しました。ERP監視の改革を引き続き推進し、2023年には106の保税企業が1兆元を超える輸出入を行いました。
深センのサービス部門も、「走り回らず、零接触、オンラインでの手続き」という方針を全面的に実施し、登録手続きの効率を50%以上向上させ、2023年には深セン税関区に新たに1.98万の申告ユニットが追加されました。また、越境ECの健全な発展を促進するために、全国初に「集中的な審査・迅速的な許可」などの便益化改革を実施し、90%以上の越境ECパッケージが自動審査されるようになりました。
林文勝氏は、「優れたビジネス環境は企業にとって最も肥えた土壌です。現在、深センの多くのリーダー企業が高付加価値の製品で欧米市場などに進出し、優れた製品と産業が海外貿易で中心的なエンジンの役割を果たしています」と記者に語りました。
さらに、デジタルトレードの発展により、深センの中小企業が海外進出する機会が増えています。実際、深センの民間企業の輸出入占比は、常に全国及び一部の重要な海外貿易中心都市である北京、上海、蘇州よりも高い水準を維持しています。
過去のデータを分析すると、深センの民間企業の輸出入占比は常に6割前後に保たれており、2023年には深センの民間企業の輸出入が12.3%増加し、全体の65.7%を占め、全国の同時期の水準よりも12.1ポイント高い水準に達し、深センの外貿成長の主要な推進力となっています。
民営経済の強化を目指し、深センは2023年、プラットフォーム経済や海外進出支援サービスなどの分野で政策の特徴を発揮し、民間資本の重大なプロジェクト建設に参加するためのさらに多くの革新的な手段を提供することを提唱しています。
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