インターネット大手に限らず、多くの企業が参入した前例のない高齢者向け観光市場の拡大が進行しています。この状況の中で、中高齢者向けの観光業界は課題に直面しています。中高齢者の観光市場の規模はどの程度でしょうか?また、どのようなチャンスと課題が存在するのでしょうか?さらに、インターネット大手は中高齢者向けにどのようなサービスを提供しているのでしょうか?本記事では、最新の中高年観光市場に関する情報をお伝えします。
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最近、法定代表者を余敏洪氏とする北京新東方文化旅行有限公司が設立されました。
「爱企查」(ビジネス情報プラットフォーム)の情報によると、同社の登録資本金は10億人民元で、新東方教育技術グループが全額出資しています。業務範囲は、観光サービス、観光開発プロジェクトの立案とコンサルティング、文化芸術交流活動の開催、芸術創作、インターネット商品販売などとしています。
7月21日、同社は中高齢者を対象とした文化観光事業への参入を正式に発表し、3度目の新事業領域への進出となります。今回の新事業開設によって、新東方教育技術グループが教育、ライフスタイル、文化観光の3大分野に足跡を残すことができます。
しかしながら、文化・観光分野への進出は、新東方にとってまったく未知の領域とは言えません。約10年前、新東方グループは若い学生向けに海外研修旅行などの文化観光サービスを提供し始めました。「毎日経済新聞」の報道によると、新東方グループの文化観光部門は既に陝西省、甘粛省、浙江省、新疆ウイグル自治区などに支社を設立し、3,000元台から5,000元台までの様々な旅行パッケージツアーを提供しています。
今回、新東方社再び観光業界に参入し、急速に成長している中高齢者観光市場に焦点を当てています。
AgeClubが今年発表した記事に述べた通りに、中高齢者が主体となる観光も、観光業界全体の復興傾向の恩恵を受けて、急速に回復しつつあります。
コロナ禍以前にも、中国の観光市場の規模はすでに5,000億元を超えるという無視できない存在でした。さらに、Ctrip(Trip.com)が発表した「高齢者観光行動」に関する報告書のデータによれば、50代の方々は頻繁に旅行する傾向があり、調査対象となった高齢者の65%が平均して年に3回以上旅行していることがわかりました。
現在、観光市場の主体は主に60後(1960年後生まれ)と70後(1970年後生まれ)の「新高齢者」と呼ばれる世代を中心とします。この「新高齢者」と呼ばれる世代の旅行動機は、特に社会的・趣味的な要因に影響を受けることが多いです。その結果、「新高齢者」の方々は旅行中の体験や内容、文化的・感情的な側面に非常に重要性を置くだけでなく、品質とサービスの提供も観光業者が注視すべき重要な課題となっています。このように、「新高齢者」の観光市場への参入は、観光市場の供給構造に変革をもたらしていると言えるでしょう。
1. シニアの文化的好奇心をかき立て、教えてくれるツアーガイド
新東方グループは、農業ライブコマース通販分野に進出の初期段階において、「教育+農業」というビジネスモデルで他社を圧倒しました。
「長白山の雪の峰を見に連れて行ったこともないし、秋頃の田んぼを吹き抜けるそよ風を感ぜさせしためしもないし、賢者の知恵の如く重く頭を下げし稲の茎を見せしためしもあらず。しかし、我が愛しい人よ、ただこのような米を味わってもらうことだけは私の唯一の願い。」
このような董宇辉氏の「米売り」アプローチは、「教育+農業」の典型的な例であり、人々に知識の魅力と文化の力を完璧に示しています。そして、今年の4月、新東方グループの創業者である余敏宏氏は、「将来、文化観光事業に進出すれば、たくさんの教育的なツアーガイドを育成する予定」と述べました。
「教えてくれるツアーガイド」は、新東方グループの競争力の核となっています。新東方グループの社員たちは、独自の才能を持ち、高品質な体験を提供することに専念しながら、優れたコンテンツを創造する能力に長けています。この強みを観光市場で活かせば、文化旅行に情熱を注ぐ「新高齢者」を引き寄せるための強力な武器となるでしょう。
2. ネット大手の参入: 銀髪観光市場のチャンスと課題:
AgeClubは、関連データから、新東方グループが中高齢者観光市場に参入する3つの主要な利点をまとめました:
・教育基盤:新東方グループは長年続いて豊富な教育資源と専門的な知識基盤を積み上げてきました。自社の持っている教育資源の統合や老年大学と協力により、知識普及や文化講演など中高齢者の知識習得のニーズに応える特色ある旅行活動を提供することができます。
・ブランド効果:新東方グループは学習業界における有名な学外教育機関として、幅広いお客様から好評を得ています。新東方グループの影響力は、中高齢者観光市場に自社の信頼性を提供し、ユーザーを新東方グループの文化・観光サービスを選択するよう引き付けることができます。
・文化充実性: 新東方グループは文化の豊かさの継承・発展させることに重点を置いています。文化体験活動、芸術創作交流などのアプローチを通じて、中高齢者の創造性喚起し、旅行を通じて個人価値と達成感を見出すことを可能にしています。
新東方グループの観光市場への参入は準備万端であることは明白ですが、文化事業と観光事業からスタートした新東方グループの前途はさらに明るいと言えます。今後AgeClubも新東方グループの動向を注視していきたいです。
中国観光研究院が発表した「中国国内観光発展年次報告(2022-2023年)」によれば、2021年では、45歳以上の旅行者の総旅行回数は11億9,400万回に達し、国内観光市場の36.81%を占めました。その中で45~64歳の旅行者数は9億200万回にも達し、27.80%を占め、旅行市場における最大の旅行者供給源となっています。
新東方グループに限らず、近年、観光業界におけるシニア世代の顧客層の拡大がもたらすチャンスに注目するインターネット大手企業が増えています。中高齢者向けの多様な旅行サービス提供することによって、観光業界に参入しているのです:
・アリババグループは傘下の「阿里旅行」や「fliggy」などのオンラインプラットフォームを通じ、中高齢旅行者を対象にカスタマイズした商品や特別割引を提供しています。
・テンセントはWeChatアプリを活用し、中高年ユーザー向けに便利な旅行情報や予約機能を提供しています。
・「百度旅游」は百度グループ傘下のオンライン旅行プラットフォームとして、ホテル予約、パッケージツアー、観光地チケットの問い合わせなどのサービスを提供する以外に、検索エンジンと地図における技術的優位性を活かす百度は、中高齢者の観光客に便利な旅行情報サービスを提供しています。
これらのインターネット大手企業は、自身の技術力と資源統合能力を活用し、中高齢者向けに、より便利で個別化された旅行サービスを提供しています。中高年層の消費能力と需要が高まるにつれ、AgeClubは、中高齢者観光分野におけるインターネット大手の関与は拡大し続けると予想しています。
前例のない市場規模の中、中高年観光市場もまた、激しい市場競争、限られた業界経験、世代間文化の違い、専門的リソース統合の難しさなどの課題に直面しています。
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