消費者の消費高度化に応じて、中国のECに関連する業界が急速に成長し、越境ECから即時配達サービスまで、各業界の最新情報をお届け!catalyst-crossing編集部が中国現地メディアの記事を日本語でお伝えします。
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「越境EC業界」
一、越境EC業界の新展望:高付加価値輸出製品が主流に、海外展開の成果が著しい
中国のデジタル経済の台頭が、輸出に向ける技術の複雑さを引き上げ、さらに中国のグローバルサプライチェーンでの参加度を向上させました。中国の輸出に向ける産業チェーンは、スマイルカーブ(Smile Curve)の両端に徐々に変更しつつあります。デジタル技術力の向上とともに、産業全体のスマイルカーブが安定的良化の勢いを保ち、産業チェーンのスマート化と他産業との連携が可能になっています。WTOへの加盟当初と比べ、2022年中国の高度技術製品の輸出額は貨物輸出額の26.5%を占め、9ポイントも増加しました。このような高付加価値の輸出製品の割合の増加により、越境EC企業の利益成長率も徐々に増加しています。さらに、近年、海外市場の巨大な潜在成長力に魅了され、多くのブランドが海外展開を始め、中国のブランドの海外での認知度と信頼度が向上しています。これにより、越境EC業界に十分な成長空間が提供されています。
二、商品主要輸出先:欧米は依然としてNO.1目的地、東南アジアが徐々に台頭
中国税関総署のデータによると、アメリカは中国越境EC商品の第一目的地であり、欧米などの先進国の消費者は相変わらず中国越境EC業者のターゲットとなっています。相関各国との自由貿易協定の締約と「地域的な包括的経済連携協定」(RECP)政策の実施に伴い、中国の越境ECの販売先が多様化の傾向にあり、エマージング・マーケットの各国は徐々に越境EC業者の新たな「マイヒット」となっています。B To Cの視点から見ると、欧米市場の比較的飽和した状況とは対照的に、EC小売額成長率世界トップ10の中で、東南アジア5つの国が占めており、ECエコシステムの繁栄が看過することができないとは言え、東南アジアのEC業界は徐々に台頭しています。
三、プラットフォームの多様化:参入者の多様化と経営モデルの革新が並進し、出海企業がより多くの選択肢を選べる
EC企業の海外展開における競争はますます激しくなり、業界への参入者の多様化と各事業の海外展開の差異化という特徴が現れ始めています。国内のインターネット大手企業は、中国国内のマーケティング手法および運営モデルを海外市場にコピーし、事業を展開している一方、越境EC業界の伝統的な参入者は、サービスシステムの多様化という横の展開や重点的業務のサービス向上という縦の深化などの方法で経営モデルの革新を行っています。さらに、主要な独立プラットフォーム運営側も、第三者プラットフォーム経営モデルへの変更に向けて力を入れ、カテゴリー品目の拡大などを行い、自社運営型プラットフォームが直面している成長パリアーを突破しようとしています。
「バッテリーレンタル業界」:
一、 バッテリーレンタル業界の利用状況:短期間で三線都市の来店客数が最も急速に回復し、長期的には主要な利用シーンの復興が期待される
2022年末の新しいコロナ対策の導入に伴い、中国各地のロックダウンが解除され、商業施設や娯楽施設でのバッテリーレンタルサービスの使用量が回復しています。同時に、各レベルの都市の来店客数も段階的に回復し、その中でも三線都市(Third-tier City,都市規模が比較的に大きい、居住人口数が100万人以上の都市)およびそれ以下の都市の回復水準が最も高いと推断されています。
2023年、各地のロックダウンが完全に解除され、国民の消費動機や消費信頼が着実に回復しつつあり、バッテリーレンタルサービス業界の全面的な回復が予想されています。この前、最も影響を受けた飲食業やホテル・宿泊業も明らかな成長を実現する見込みであり、これがバッテリーレンタル業界全体にとって好ましい状況を作り出しています。
二、業界の展望(その一):川上から川下へ全体的なコスト削減と効率向上の実現
中国のバッテリーレンタル運営業者にとって、将来、原材料の調達と製品製造、効率的な運営、および経営者の管理レベル向上の3つの側面でコスト削減と効率向上が可能です。具体的には、原材料の調達と製品製造の面において原材料および生産方法の最適化で、効率的な運営の面において、運営モデルの選択とデジタル化・スマート化された運営で、経営者の管理レベル向上の面において、利用料金の段階設定や分級管理、バッテリーレンタル運営業者と商業者の間でのビジネスの連携などと指します。川上から川下までの全体的なコスト最適化と合理的な管理を実現することで、バッテリーレンタル運営業者の経営効率が効果的に向上できます。
三、業界の将来展望(その二):ビジネス範囲を持続的に拡大し、多様な利益化方法が見出される
中国のバッテリーレンタル運営者は、既存のビジネスモデルを基盤として、4つの主要消費シーンからビジネスバウンダリを拡大することができます。具体的には、広告事業の拡大、キオスクサービススポットの統合、バッテリーレンタステーションの展開、および店頭来客の誘導と見込み客の転換が含まれます。キオスクサービススポットの統合は、バッテリーレンタルと同様の利用方法の持つ無人の自動販売機とビジネスシーンを統合することを指します。たとえば、バッテリーレンタルスポットを自動販売機の横に設置し、消費者のバッテリーレンタルへの潜在的な需要を引き出すことができます。また、さまざまなビジネスシーンを交差させることも重要だと言えます。たとえば、バッテリーレンタルのアプリや機器の中で広告を配信することはその一環です。
「インテリア業界」:
一、サービスモデルアップグレード:一括サービスモデルが業界収益化の新源泉となる
インテリア業界はその成立以来、人工労力や材料などのサービス内容を中心に、清包(オーナーが全ての資材を自ら購入し、会社は施工のみを担当するモデル)、半包(オーナーが主要な資材を選び、デザインや補助資材は会社や施工チームが調達および提供するモデル)、全包(すべての資材の調達と施工は施工業者の方が担当するモデル)などのモデルが徐々に発展してきました。現在、消費者の一括インテリアソリューションへの需要に応えるために、要素製品化、価格設定の標準化、サービスの統合化などを含む一括サービスモデルが生まれ、業界の収益化の新源泉となっています。
総合的に見ると、一括サービスモデルの利点は主に次の3つのようになっています:
1.お客様の時間を節約できること
2.より専門的な製品とサービス、および全工程の保証を提供できること
3.必要なものに適応し、見積もりが分かりやすいであること
一方、現在の欠点は次のとおりです:
1.一括サービスモデルは、伝統的なカスタマイズサービスモデルと同様に、顧客のカスタマイズニーズを完全に満たすことができません。
2.一括サービスモデルの概念によって顧客を獲得しようとする悪徳業者が存在し、業界全体での整合と規制が待ち受けられています。
二、運営面:大型店舗モデルを通じて消費者の住宅インテリア消費体験を向上させる
単一のデザイン専門店やブランド統合店は、ますます効率性とカスタマイズ製品を求める消費者の住宅インテリアニーズを満たすことができなくなっています。商品展示と体験機能を統合した「大型店」の運営モデルは、将来のインテリア企業の重要な運営方向となっています。このモデルは、現地の商品紹介とデジタル体験を通じて、サービス水準を向上させ、オンラインとオフラインの両方のチャネルでインテリアデザインのサービスを提供しています。
三、競争面:多様化した参入者による激しい競争
家具メーカーや不動産企業など、川上や川下の関連する各産業主体は、インテリア業界の競争に積極的に取り組んでおり、多様な業者がインテリア業者と連携し、各サービスのシーンに参入し、業界へ新しい活力を注いでいます。一方、各大手企業の参入は、将来的に業界の集中度がさらなる向上する可能性をもたらしています。
現在、インテリアカスタマイズデザイン企業は、小売り+「整装大家居」(インテリアデザイン、家具の購入や材料の調達はすべて一つの会社に委託するモデル)を主としていますが、自社が全部の業務を経営するわけではなく、一部の業務を連携業者に任せ、インテリア業界への参入を探求しています。これを比べ、家具建材売り場の経営モデルは、主に自社ビジネスで試行しています。
不動産開発企業、不動産エージェント企業、物件管理会社は、自社のトラフィック優位性や産業連携能力を活かし、自社のインテリア事業を新設または買収で市場に参入しています。
「即時配達サービス業界」
一、BtoBの概要;全業態の発展が遂げ、フードデリバリー以外の需要が急増
即時配達サービス業界の台頭は、企業がトラフィックとサービス品質を向上させ、顧客ロイヤルティーを確保しようとする需要の結果です。近年、大手EC企業により、EC小売業が急速に発展し、即時配送のカテゴリーもフードデリバリーから、新鮮食料の配達、スーパーマーケット商品の小売りと配達、花束とケーキ、医薬品配送、衣類、靴、帽子、3C製品、化粧品などに広がっていきました。即時配達サービスの消費シーンの持続的な拡大により、即時配達サービスのさらなる発展が期待されています。
二、BtoCの概要:「新消費時代」において、消費者需要はフードデリバリーから代行サービスへと拡大し、即時配送サービスへの依存度がますます高まっている
即時配達サービス業界の台頭は、フードデリバリー業界の台頭と切り離せません。
現在でも、フードデリバリーは即時配達サービス業界の発展に対し、重要な推進力となっています。しかし同時に、配達業者の配達能力の向上や消費の進化に伴い、ユーザーのオンライン消費需要は単一のフードデリバリーから同一都市内の商品の購入に拡大し、カテゴリーも食品や飲み物から食料、雑貨、電気製品などに広がりました。即時配達サービス業界発展の原動力が多様化する中で、消費者の即時配達サービスへの依存度がさらに高まっています。Ireasearchの消費者調査データによれば、約25%の消費者が月に10回以上即時配達サービスを利用し、毎月少なくとも一度は即時配送サービスを利用する消費者の割合は90%を超えています。
オンラインショッピングがますます一般的になる中、消費者のオンラインショッピング体験およびその付随サービスに対する要求も徐々に高まっています。その中で、配送効率の向上が物流業界の最適化の目標の一つとなっています。伝統的配達では、同一地域内の配達業務は一連の集荷から配達までのプロセスを経て行われ、配達時間は通常1日以上かかります。これに対し、即時配送サービスはエンドツーエンドの配達であり、中間の転送プロセスなどが関与せず、配達時間を大幅に向上させることができ、「当日配達」は地域内の迅速な即時配達も実現できます。そのため、地域内宅配などのサービスは、消費者の届ける時間に対する高要求を満たすために、徐々に郵便ではなく、即時配送サービスプロバイダーによって実行されるようになっています。
四、業界の新トレンド(その一):プラットフォームの戦略的拡大とビジネスモデルの革新
国民の消費高度化に伴い、さまざまなオンラインプラットフォームが戦略的なイノベーションを行い、日常生活業務セクションにますます力を入れています。オフラインの地元事業者はこれによって利益を得ており、同時にプライベートトラフィックの運用の重要性もますます明らかになり、そのトラフィックはより多様化しています。
ユーザーの高い時効性の要求は、従来のECプラットフォームの「近場EC」(用語未明で未訳)形態の急発展を推進しています。ユーザーの多様な消費要求は、「団購」、フードデリバリ、即時小売業などのプラットフォームが提供する消費品カテゴリとサービスをさらに拡大させる要因となっています。ユーザーのコンテンツ消費ニーズへの即時の満足は、ソーシャルプラットフォームやコンテンツ電子商取引が革新を試み、地域生活セクションを大幅に拡大するきっかけとなっています。これらさまざまなオンラインプラットフォームから地域生活ビジネスへの関心が高まることで、地域のオフライン事業者のトラフィックチャネルは多様化の傾向を示し、これにより地元消費市場が活気付く一方で、即時配送業界の繁栄がもたらされることも期待されています。
同時に、地元事業者にとっては、オンラインでの顧客獲得コストの上昇などの課題が存在しており、そのプライベートトラフィックも徐々にトラフィック獲得チャネルの重要な一部となっています。
五、業界の新トレンド(その二)プライベートトラフィックの拡大と第三者即時配送サービスの強化: 消費連鎖KAと中小店舗によるエンドツーエンドのサービス実現
各地の実店舗の発展目標の違いにより、それらのトラフィックニーズ、トラフィックチャネルの獲得、およびサービス品質の要件が異なるため、現在および将来にわたり、実店舗経営者が即配サービスプロバイダーを選ぶ際には異なる条件があります。
実店舗経営の初期段階では、迅速な販売拡大が事業存続の最優先目標となるため、強力なトラフィック獲得能力を持つオンラインプラットフォームが最初の選択肢となりますが、同時にトラフィックのソースに制限され、配達は主にプラットフォームが担当しています。
事業規模が拡大するにつれて、店舗の発展目標は事業存続からどのように業務拡大のバリアーを乗り越え、利益増加が着実に進んでいくかに移行し、コスト削減、顧客ロイヤルティーの強化などの要件の重要性が高まっていきます。パブリックおよびプライベートトラフィック運用、多様なトラフィックチャネル、高品質な即時配送サービスなどの需要により、店舗が第三者の即時配送サービスを利用する割合が増加し続け、一部の資金調達力の強い大規模店舗は「戦略的な展開地域」で自ら配達事業も構築する可能性があります。
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