【中国最新レポート】コロナ禍後、初春節の中国訪日客の最新動向予測

【中国最新レポート】コロナ禍後、初春節の中国訪日客の最新動向予測

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中華圏では2月8日〜25日から「春節(旧正月)」期間が始まりました。大型連休となることから、例年訪日旅行が活発化する時期でもあります。そこで、今回はcatalyst-crossing編集部が、2024年の春節に関する観光市場情報やインバウンド動向などの最新情報をお届けします。

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日本政府観光局(JNTO)は、1月17日に訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)と2023年訪日外国人消費動向調査の結果を公表しました。それらのデータによると、2023年の訪日中国人客数は約243万人で、訪日中国人旅行消費額は約7,600億円となっています。

2023年の水際対策や処理水問題をめぐる日中間の摩擦などの問題があり、インバウンド回復に影響がありましたが、2023年度における訪日中国人の旅行支出額は7,599億円で、1人当たりの旅行支出額は119,484円になり、かなり高水準であることが間違ありません。

コロナ禍後の初春節、訪日中国人はコロナ禍前と比較してどれくらい回復するでしょう?

中国のオンライン旅行予約サイトCtrip(携程旅行網)の「2024年春節観光市場予測レポート」によると、ビザ緩和の理由で、中国人にとって人気の観光地はタイ・日本・マレーシア・オーストラリア・シンガポール・韓国となります。その中で、2023年から中国国内の旅行やビザ緩和された国のほうがトレンドとなってきているが、Ctripにおける訪日旅行の受注数は前年と比べて10倍以上に増加していることがわかりました。

そして、2023年1月に日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計の数値(月間約3万人)と照らし合わせてみると、2023年12月の最新データ(月間約30万人)と比べて、訪日中国人は10倍以上回復してるというデータは、Ctripのデータと一致しているとみられます。コロナ禍前の春節(2019年)の訪日中国人の人数と比べると、半数ほどにとどまります。

去年8月に中国国内から日本行きの団体旅行を解禁しましたが、その直後に東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出をめぐり、日中貿易輸出入に影響を及ぼし、中国国内の旅行会社は日本向けの団体ツアーの売り出しも控え始めました。

そこで、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「中国の景気低迷で訪日客の多くを占めていた中間所得層の懐具合に余裕がなくなり、割高な海外旅行から国内旅行にシフトしているのではないか。訪日客の回復には時間がかかるだろう」と指摘する。そして、旅行業界では、客単価の高い富裕層向けサービスに活路を見いだす動きがあるということです。

一方、全日本空輸(ANA)は1月22日に中国の旅行サイト最大手の携程集団(トリップドットコムグループ)と戦略提携すると発表しました。富裕層向け商品の共同開発や、日本への直行便がない地域から高速鉄道と組み合わせた限定商品の開発などを手掛け、中国からの利用客拡大を狙い、日本と中国大陸の7都市を結ぶ13路線で、週78便を運航しはじめ、富裕層ら訪日客呼び込みを図りました。

そのため、訪日中国人の人数は2019年春節と比べて半数しかないかもしれませんが、訪日旅行の消費額は減少することがなく、またこれらかは訪日中国人の人数も伸びていくことも期待できるでしょう。

コロナ禍後の初春節、訪日中国人は何を求めているでしょうか?

春節は家族団欒な時期で、大型休暇のため、家族旅行として最適な時期になっています。今年はビザ緩和や航空増便による航空券の値下げのため、海外旅行を選んだ中国人は去年の春節より人が増えていて、コロナ禍後の初春節は訪日中国人は日本の何を求めて来ているでしょうか?

中国国内の人気プラットフォーム「RED(小紅書)」で、「日本旅行」、「春節日本旅行」、「日本購物」などのキーワードを検索してみると、様々なコンテンツが出てきます。それに、単なる化粧品だけでなく、健康品やお菓子などをお土産として購入する割合も高く見られます。さらに、「着物体験」、「抹茶体験」、「娯楽施設」などのエンターテインメント・体験系への支出も多くなってきています。

また、コロナ禍前(2019年)の爆買いと比べて、モノの数より必要なモノのリストを事前に情報収集して準備する人が多くなっているとわかります。「爆買い」に戻るのは現実的ではないが、円安のため、高額なブランド品を購入する人が多いことも訪日中国人の買物代が高いことに繋がっています。

REDの検索データによると、訪日中国人は日本の雑貨などの便利な小物を検索している割合が増えています。その理由として、中国の小売産業と関係があると思われます。それについてのまとめた情報を次回の記事で詳しく説明いたします。

参考資料

春節スタート、中国本土からの訪日客は回復鈍く…爆買い期待のドラッグストア「肩すかしくらった」

ANA、中国・携程と戦略提携 富裕層ら訪日客呼び込み

訪日外国人消費動向調査「2023年年間値の推計」※速報

訪日外国人消費動向調査「2019年年間値の推計」※確報値

・Ctrip(携程旅行網)「2024年春節観光市場予測レポート」

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