2月29日に観光庁は、2023年の年間延べ宿泊者数(速報値)を公表しました。2023年の年間の延べ宿泊者数はコロナ禍前の水準とほぼ同じに回復したとうかがえます。catalyst-crossing編集部は宿泊旅行統計データに基づいて、外国人宿泊状況と今後のインバウンド情報について説明いたします。
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A.2023年の年間延べ宿泊者数は5億9千万人泊超え、外国人は1億人泊超え
~コロナ禍前の水準とほぼ同じ回復~
観光庁公表したデータによると、2023年の年間延べ宿泊者全体に占める外国人宿泊者の割合は19.3%であった。全体延べ宿泊者数は5億9,275万人泊、2019年比-0.5%(前年比+31.6%)であった。うち外国人延べ宿泊者数は1億1,434万人泊、2019年比-1.1% (前年比+592.8%)であった。コロナ禍前の水準とほぼ同じに回復したとわかりました。
また2023年の客室稼働率のデータは、全体で57.4%であり、施設タイプ別では、旅館(37.0%) 、リゾートホテル(52.2%) 、ビジネスホテル(69.4%)、シティホテル(69.3%)であった。2019年比は少し差がありますが、前年度(2022年)と比べて、全体的にプラスになっており、。
さらに、全体の稼働率では東京都が73.8%と全国で最も高い値になり、訪日観光客は東京都を訪ねるのがコロナ後の主流であることがうかがえます。
B.訪日外国人宿泊地域:三大都市圏は2019年比上回った!
2023年の外国人延べ宿泊者数は1億1,434万人泊で、コロナ前の2019年の水準に戻りました。2019年と比較すると、外国人延べ宿泊者数は三大都市圏で+13.6%、地方部で-25.9%であったことがわかります。それに基づいて、円安のため、コロナ後の外国人観光客は地方観光より、都市圏域で買い物や体験などのニーズが観光の主流になっていると考えられます。
C.今後のインバウンド:訪日旅行者数は韓国が1位、中国観光客が堅調に推移する見込み!
そして、2023年の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数は、第1位が韓国、第2位が台湾、第3位が中国、第4位が米国、第5位が香港で、上位5ヵ国という順になり、地域で全体の58.6%を占めました。
中華圏においては、台湾は2019年比‐4.5%(前年比+1321%)、中国は2019年比‐64.1%(前年比+981.3%)、香港は2019年比‐5.3%(前年比+651.7%)であった。2019年よりまだ回復しておらず、これからの伸びが期待されます。特に、中国のビザ緩和制度や日中運航の増便によって、2024年には中国大陸からの訪日観光客数が増えていくと予測できます。
1月22日に、全日本空輸(ANA)と中国の旅行サイト最大手の携程集団(トリップドットコムグループ)と戦略提携すると発表しました。富裕層向け商品の共同開発や、日本への直行便がない地域から高速鉄道と組み合わせた限定商品の開発などを手掛け、中国からの利用客拡大を狙い、日本と中国大陸の7都市を結ぶ13路線で、週78便を運航しはじめ、富裕層ら訪日客呼び込みを図りました。
また、日本航空(JAL)は公式サイトで、3月31日から約4年ぶりに中部=上海(浦東)線の運航を再開し、5便の運航を予定していると発表しました。そのほか、早朝便を含む中国大陸路線の運航強化を発表するANAなど、日中間の航空路線が充実する運びとなった。中国人の訪日需要が高まっていることがうかがえます。
それらによって、2024年には中国訪日観光客の人数の回復が期待できると言えよう。
参考資料:
2024年(令和6年)1月分(第1次速報値)
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