今回catalyst-crossing編集部が、中国国内のデータと日本情報をもとに中国のライブコマース市場と、日中間のビジネス連携による日本に対して与える影響について紹介いたします。
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2023年中国のライブコマース市場の概説
2023年中国国内の消費傾向は不景気の影響を受け、中国の小売産業の売上成長は比較的鈍化していると言われていますが、実際にオフラインショッピングに影響を大きく及ぼしたが、オンラインでの消費額に大幅に影響はしていません。中国のライブコマース産業はこの20年間の発展を経て、ユーザートラフィックは減少しているとみられます。
また、iiMediaのデータ(下記の図)によると、2023年のオンライン売上は13万億元になりました。中国ではオフラインの買物より、オンライン買物のほうが徐々に主流になってきています。
ただし、長期的にみると、中国のライブコマース市場のニーズは今後とも欠かせないと考えられます。中国のライブコマース市場においては、膨大なトラフィックの急増成長を追求することから、トラフィックを十分に利用して新たなビジネスモデルに変換することで、利益を獲得することが求められます。
そのため、中国のライブコマーストップラインの競争がかなり激しくなってきています。いわゆる、中国のライブコマースはすでに「低成長&高所有(トラフィックの転換)」という成熟期に入りました。
iiMedia Researchのデータ(上記の図)により、2024年の中国消費者、73.20% 消費者が電子商取引プラットフォーム (タオバオ、JD.COMなど) で買物を利用し、51.55%消費者が即時小売プラットフォーム (美団、京東商事など) を利用しています。そして、消費者の38.53%がオフラインの業務用スーパーマーケットを選択し、消費者の37.11%が新しい電子商取引プラットフォーム(Douyin、REDなど)を選択し、消費者の35.95%がオフライン小型店舗やコンビニなどを利用して買物するとわかります。
一方、 Z世代にとっては、大きな市場で日用品を買うことは過去のものであり、若者たちは大手プラットフォームやライブコマースを利用して生放送ルームでスタッフと「交流」してから、価格、賞味期限、品質などを比較し買物をするのが主流となりつつあります。
日中ビジネス連携による、中国のライブコマースが今後日本に与える影響
全日本空輸(ANA)は中国旅行サイト最大手の携程集団(トリップドットコムグループ)と戦略提携すると、1月22日に発表しており、中国富裕層向けの商品開発と販売を本格的に図りました。
通常旅行会社でツアーや個人旅行コンテンツの販売と異なり、中国内で登録会員数4億人超える最大手旅行サイト、携程旅行網(シートリップ)が運営しているアプリ内で、4月からANAの専門店を開設し、特別価格商品の販売やライブ配信で商品を紹介して「ライブコマース」を行う予定です。このサービスは中国の電子マネーも対応でき、ビジネス向けのサービスもあり、コールセンターも利用できるという。
さらに、日本に行く直行便のない地域から中国の高速鉄道と組み合わせた限定コンテンツ*(日本と中国大陸の7都市を結ぶ13路線で、週78便を運航)の開発・販売をはじめ、中国からの訪日客の拡大を狙うことになります。この連携により、今後の日中観光のほか、日中のビジネスシーンもライブコマースに影響を受けることになると予測されます。
参考資料
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