地元小売業界進出「美団」┃野心はどれほど大きいのでしょうか?

地元小売業界進出「美団」┃野心はどれほど大きいのでしょうか?

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中国の美団買菜は最大規模のブランド変更を行い、美団買菜を小象超市(小象スーパーマーケット)に改名すると正式に発表しました。新ブランドの立ち上げは美団の地元小売業界への進出のため、様々な戦略をとり、さらに成功事例も持っていますが、強力な競合他社が多い中、地元小売業のマラソンレースにおいては、美団がいつまでリードできるでしょう。catalyst-crossing編集部が中国現地メディアの記事を日本語でお伝えします。

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設立から 5 年以上経過し、美団買菜は最大規模のブランド変更を行いました。

12月1日、美団は美団買菜を小象超市(小象スーパーマーケット)に改名すると正式に発表しました。小象超市の事業責任者は、新ブランドの立ち上げは美団の地元小売業界への進出戦略であることを強調しました。

今年、美団買菜は蘇州と杭州の2つの新都市を相次いで開設しており、美団の2023年第2四半期財務報告によると、去年同期の高基準の下で、第2四半期の美団買菜は去年同期比より着実に成長することになります。標準製品と美団買菜が保有する独自ブランドの食料品購入額に関わる取引の割合は増え続けています。

2022年10月、美団優選は「Minrida Supermarket」へのブランドアップグレードを発表しました。同時に、美団優選のSKU数は3,000に達する予定で、大手会員制スーパーマーケットに匹敵すると計画しています。

「美団優選はユーザーの利用頻度をさらに高めるために対策を出し、美団優選のデータは増加していますが、その成長はわずかに鈍化しています。その原因を見つけて、運用を改善するための新たな戦略を策定して実施します。私たちはこのビジネスを最適化するようしていきます。」と、美団の責任者たちは今年第3四半期決算の電話会議で明らかにしました。

今年の第3四半期の「美団闪購」の総注文量は62億件に達しており、ビジネスモデルの観点から見ると、地元スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの業態と広く結びついています。第3四半期のデータによると、「美団闪購」は既に約400個の小売ブランドと協力関係を確立しており、年間アクティブ加盟店数は前年比 30% 増加しているとわかります。

今年9月に開催された美団小売業界カンファレンスで、美団の副社長兼美団闪購責任者のシャオ・クン氏は、過去4四半期に美団闪購の売上規模が1,750億に達しており、2026年までに4,000億を超えるだろうと明らかにしました。

3つの業務はいずれも地元スーパーマーケットと密に結びつけており、美団の地元小売店のビジネスモデル構成も表していると言えます。

テイクアウトプラットフォームやフロントエンド倉庫などの新しい小売業態の急速な発展により、消費者たちの「即時宅配」の小売ニーズは日々高まっており、消費者の配達時間に対する要求も増々高まっています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーのデータレポートによると、1990 年代生まれの消費者の約 60%は注文後、同日に商品を受け取ることを望んでおり、1980 年代生まれの消費者の 85% は同日に商品を受け取ることを望んでいるとみられます。

美団のビジネスデータにも同じ傾向が反映されており、「美団闪購」ではユーザーの35%近くが欲しい商品を検索することができなかった。」と、「美団闪購」の責任者は、「闪購」の需要は供給よりも速いと述べました。

オフライン小売業はオンラインで商品やサービスを提供しており、これは消費者の需要が急速に高まっているだけでなく、オフライン店舗の変革プロセスにおける重要なトラフィックの推進力にもなっております。

関連データによると、2020 年のコンビニにおけるオンラインサービスの割合は73%に達し、前年比11ポイント増加しました。

需要と供給が地元の小売業態に集中しており、特に地元の輸送力が十分で、オンラインプラットフォームの技術やサービスが成熟している場合、地域の消費者は「近所」で注文し、リアルタイムで買い物をすることを求めています。

Dige.comの著者によると、上海ではローソンやファミリーマートなどのコンビニブランドの一部店舗では、「美団闪購」は1日の注文量が2万〜3万件あるという。

同時に、「美団闪購」の倉庫は昨年から、特定の消費者のニーズに応えるため、化粧品や日用品、母子玩具、スポーツ、文具などのカテゴリーに投資することを開始しました。

もちろん、美団現地の小売店舗レイアウトは、当面のニーズだけを考慮したものではなく、異なるレベルと購買力の消費者を対象としています。

改名された小象超市は、主に生鮮食品の配達時間に対する非常に高い要求をもつユーザーに対応していますが、コストも非常に高いため、主に一線大都市と新一線都市のユーザーにサービスを提供しているという;「美団闪購」は日用消費財などのカテゴリーに焦点を当てて、地元の小売業と連携することで消費者の差し迫ったニーズに応えており、主に各省級や市級レベルの都市でサービスを提供しています。飲食以外のコンビニエンスストアのサービス料率はわずか5%で、運用コストは美団買菜の食料品よりも低いです。

一方、団地共同購入事業を行う美団優選はフランチャイズ・システムを採用し、専門物流パークから中央倉庫を借りたり、グリッド倉庫にたりするなど、社会連携モデルの採用をし、価格敏感型の消費者に幅広いニーズを応えることができ、非常に低い拡張コストで済ませるプラットフォームとなっています。現在、美団優選は2,600以上の県と都市の市場に参入しています。

即時要件、価格設定、拡張コストに基づいて、美団は美団優選、美団闪購などの他の事業を通じて、地元の小売業レイアウトを形成し、消費者の異なるニーズによって、さらに対応するサービスを提供することを目指しています。

それに、美団が地元の小売業で良い仕事をするには、多くの課題に直面することになるでしょう。

一方で、美団製薬などといった美団の地元小売業の一部は政策の不確実性に直面しています。 2022年6月に「インターネット診療監督規則(試行版)」が正式に公表され、施行されました。「細則」では、プラットフォームが処方箋が発行される前に、患者さんに処方薬を提供することを厳しく禁止するとともに、処方薬は医師の処方箋に基づいて販売、調剤、使用しなければならないとしています。

「晩点LatePost」によると、美団で医薬品の注文総数のうち、処方薬が30%から40%を占めています。

その一方、地元の小売業では、美団はかなり強力なライバルに出会う、例えばJD.comと美団闪購は3Cカテゴリーの消費者の認知度を競っていますが、盒馬鮮生は店舗での割引革新を開始し、価格戦争が続いている」という。TikTok(抖音)は美団の事業に激しい攻撃を開始すると同時に、北京、上海、広州、深センなどの主要大都市で、「時間ごとの配達」という小売サービスも開始しました。

2023年のはじめに、美団株価は172香港ドルを超えましたが、その後株価は下落し続け、2023年の12月までに美団株価は50%以上、大幅に下落しました。

しかし、美団の最高経営責任者(CEO)王興は、「経営陣は会社の長期的な成長の潜在力に自信を持っています。現在、流通市場における美団の株価は、単なる食品配達事業の評価を反映しているだけであり、企業の本質価値をすべて表明していない」と述べていました。

競合他社の皆は、地元小売業の「ケーキ」の一部分を望んでいますが、美団には独自戦略の焦点を持っています。

地元小売業における美団の利点は、輸送力、店舗及びプラットフォームにおける運営経験や技術等といった、過去の成功事例をすぐに再利用できることであり、そして美団はカテゴリーとブランド開発を続けています。今年2月に、美団のアルコールO2Oブランド「歪馬松酒」が四川省に進出し、その前でも既に広東省の市場進出を試みました。

地元小売業のマラソンレースにおいて、美団は依然として先頭に立っています。しかし、問題としては、美団がいつまでリードできるかということであろう。


元記事:美团做超市,野心有多大?

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