中国のペット市場を分析した「BLUE BOOK OF PET’S INDUSTORY」が発表され、直近数年間のペット市場の推移が明らかになった。全体として、2018~2022年の中国におけるペット飼育数は上昇を続けている。COVID-19の影響により、2019年以降は伝染病対策の影響で増加の勢いが衰えるものの、伝染病予防・対策政策の変更に伴い、ペット飼育頭数の増加率は2022年のマイナス1.5%から2023年には2.7%に回復し、ペット飼育頭数は2億頭近くまで増加した。その中で、特にペットとして人気のある犬、猫に限ると2023年、中国の市町村で飼われている犬や猫の数は1億2155万匹に達し、2022年から500万匹増加している。
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Unsplash:Matt Nelson撮影
ペット飼育に関するコア層と市場規模
中国におけるペット市場拡大に貢献しているのは、90年後と呼ばれる1990年以降に生まれた層がコアとなっており、一級都市(北京、上海、深圳、成都)に集中している。
2023年、中国のペット市場規模は5年近く13.1%の複合成長で2500億元近くに達し、COVID-19により成長率が谷に達した以外は、成長率は常に世界水準より高く、ペット産業は高速発展段階にある。ペットフード用品は市場規模の半分以上を占め、健康的なペットケアの概念も高まっており、ペット医療は30%近くを占ている。美容ケア、ペットの行動訓練などのサービスは消費の16%を占め、業界の成熟に伴い、ペット市場は細分化され、成長し続けている。
Unsplash:kevin laminto撮影
ペット用食品/ペット用品市場の推移
2023年のペットフード小売売上高は2018年の269億元から533億元に増加し、複合成長率は14.7%で、ペット飼育必需品カテゴリとして、消耗品やサービスと比較すると、ペットフードは消費者の需要が高いという利点もあり、常に市場の主要シェアを占めている。
犬猫の主食はペットフード市場の88%近くを占めているが、栄養製品とスナックはより強い成長力を持っており、過去5年間の年平均成長率はそれぞれ18.8%と15.8%で、主食とその他のペットフードより高い。
ペット用品の小売売上高は過去5年間、年率12%以上の成長率で順調に伸びており、2023年のペット用品小売市場規模は369億ドルに拡大すると予想されている。 猫飼育の必需品である猫砂の小売売上高は、猫数の増加に伴い66億ドルと大きく増加した。
犬や猫のペットオーナーがペットの衛生と清潔に関心を持つようになったことで、グルーミングとクリーニング用品の小売売上高は2023年に60億ドルに増加し、2018年から2023年のCAGR(年平均成長率)は24.8%と、猫砂(25.7%)より低い成長率にとどまると予想される。
Unsplash:Komarov Ego撮影
日本との飼育環境の違い
中国のマンションでは基本的に丸々一棟でペット禁止、というマンションは少ない。
もちろん各部屋のオーナーの決定によるものの、筆者個人の感覚としてはペット飼育に関する寛容度は日本よりも高く感じる。
例えば、マンションのグループチャットでは「旅行に行くので野良猫を世話して欲しい」とか、寒い冬にはマンションのエントランスで野良猫を保護していたり等、
もちろん地域差はあると思うものの、この様な状況に対しても非常に寛容な態度を持っている。
また付近の公園でも顕著にペット連れが多くなり、また市内中心部でもペット同伴可能なカフェもあり、全体的なペット好感度の高まりを感じる。
データにも表れている通り中年〜若年層がメインであり、また最近ではペットの散歩代行のようなサービスも始まっておりペット熱は高まるばかりである。
Unsplash:Tran Mau Tri Tam撮影
まとめ
中国におけるペット市場は現在のペット熱の高まりや、ペット飼育に対する寛容度の高さから、今後ますます拡大することであろう。
また、ペット食品を中心とし、ペット用品やの多彩化も進み、新たなブランドも多く生まれていくことも予想される。
ペット同伴可能なカフェも増えているものの、同伴可能なホテル等はまだまだ多くないため、ペットホテル等も春節期間は満杯の状況である。
中国のペット市場はまだまだ可能性を秘めてる。
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