TikTok(抖音)は有料ショートビデオテスト実施中、bilibiliは「うらやましさで泣きそう」

TikTok(抖音)は有料ショートビデオテスト実施中、bilibiliは「うらやましさで泣きそう」

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TikTok(抖音)は現在「有料ショートビデオ」のテストを行っていますが、全てのショートビデオが有料コンテンツになるわけではありません。現時点では、この機能は小規模なテスト段階であり、「10万以上のフォロワーを持ち、アカウントが正常で、違反の履歴がなく、高いオリジナリティを持つ一部の個人クリエイター」に限定されています。今後、このテストは範囲を徐々に拡大する予定です。個人クリエイター向けの「コンテンツ有料化機能」のテストは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)をプラットフォームの主要なコンテンツにする抖音にとって、有料コンテンツの分野で大きな進展です。catalyst-crossing編集部が中国現地メディアの記事を日本語でお伝えします。

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最近、抖音でショートビデオを楽しんでいる時、コンテンツ変更しようとスワイプすると、急に「購入後に視聴可能」「120抖币(抖音アプリ内部の仮想通貨)で有料コンテンツを購入」という画面がよく表示されます。これは現在抖音がテスト中の「有料ショートビデオ」機能です。

11月16日、「抖音有料ショートビデオテスト」のキーワードが一時的にWeiboのホットワードで4位に浮上し、総閲覧数は2億を超えました。これを見たネットユーザーは驚きました:「これから先、ショートビデオも有料になる可能性があるのでしょうか?」

実際にこれは誤解です。

抖音は「有料ショートビデオ」のテストを行っていますが、全部のショートビデオが有料コンテンツになるわけではありません。現在、この機能はまだ小規模テストの段階にあり、現時点で「10万以上のフォロワーを持ち、アカウント状態に異常なし、コミュニティールールの違反履歴のない、コンテンツ創作のオリジナリティを持つ一部の個人クリエイター」に限定されています。今後、テスト範囲は徐々に拡大する見込みです。

個人クリエイター向けの「コンテンツ有料化機能」のテストは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)をプラットフォームの主要なコンテンツにする抖音にとって、有料コンテンツの分野で大きな進展です。この試みは、抖音プラットフォーム上のほとんどのコンテンツが原則的に有料に設定できるようになります。

昨年の夏、UGCを主体とする動画プラットフォームであるBilibiliも同じく、全クリエイターに有料コンテンツ機能を提供するテストをしたことがありましたが、Bilibiliでは「炎上」されてしまいました。

最も代表的な例は、『吃螃蟹(カニを食べる)』という動画番組のクリエイターである「勾手老大爷邓肯」が「30元で10エピソード」の有料シリーズ動画を投稿しましたが、結果は思わしくありませんでした:わずか5日間でフォロワーが3万人減少しました。

現在、「勾手老大爷邓肯」のBilibiliホームページを検索しても、去年6月に投稿した有料シリーズの動画は見つからず、その後有料コンテンツ投稿の試みも見当たりません。

昨年末、「勾手老大爷邓肯」は自分の投稿で、「今年は有料動画コンテンツを投稿したが、多くのフォロワーを失った」と述べ、コメント欄には、「全10エピソードの有料動画を購入したのに、約束どおりに10エピソードの更新も完了せず、代わりにアプリ内部の仮想通貨で返金された」というファンからのフィードバックが寄っています。

Bilibiliの「有料コンテンツ」の試みに対し、ネット上で「利益を得るためにルールなどを守らず」と批判されていた一方、抖音の今回の「検索ホットワードランキング」に載ったことは、ユーザーが「有料コンテンツ」自体に対する関心がそれほど高くない一方で、プラットフォームへの非難はそれほど激しくないようです。

同じショートビデオプラットフォームであり、抖音のライバルでもある「快手」は、有料コンテンツの試みをもっと早くからより広範囲に行っており、2020年の年始頃始まった「有料内容コレクション」セクションは今までも続いていますが、プラットフォームが「炎上」されたことはありません。

中国インターネットでの「三つの大手ショートビデオプラットフォーム」の抖音、快手、視頻号は、全面的に有料コンテンツ分野に進出しており、その武器は「分散化」(コンテンツ創作で各クリエイターが中心であり、各クリエイターは他のノードに接続して影響を与えることができる、このようなフラットで、オープンで、平等な構造)です。

現在、抖音は既に有料コンテンツのテストを開始していますが、ユーザーから非難はそれほど強くありません。抖音のホームページで何百ものおすすめのショートビデオを閲覧しても、「有料コンテンツ」との出会いがありませんでした。

「有料コンテンツ」は一定期間の試聴が提供され、試聴期間が超えたあと、「購入後に視聴可能」が表示されました。有料コンテンツの定価については、単一の動画の最低価格は1抖币、つまり約0.1元です(1元で10抖币をチャージでき、IOSのユーザーは「アップル税」(アップルがApp Storeで有料アプリから30%の手数料を徴収する行為)のため、アップルアプリストア内でチャージすると1元で7抖币がもらえる)。具体的な価格設定はクリエイターが自ら決定し、プラットフォームは技術サービス料金として有料コンテンツ売上総額の30%を差し引いた後、クリエイターに支払います。

注意すべきは、ユーザーが購入したコンテンツは「永遠に視聴可能」ではないということです。《抖音有料コンテンツ購入における注意事項》によれば、有料コンテンツは「有料サービス期間内に繰り返し視聴可能」であり、有料サービス期間は「該当する動画/シリーズの更新が完了した後の7日以内」となっています。また、「プラットフォームは状況に応じて有料サービス期間を短縮または延長する権利を有します」。

多くのユーザーはこの規定に不満を抱いていますが、一部のユーザーは、「以前からプラットフォーム内の一部の短編ドラマは有料で視聴する必要があった」と述べています。

実際に、抖音のコンテンツ有料化は長い期間の試行錯誤を経ています。2年前の2021年、抖音は有料ライブ配信機能をテストしました。2021年夏に開催された「抖音の夏の歌会」イベントでは、有名な歌手である張靚穎(ジャン・リアンイン)、孫燕姿(サン・イェンジー)などがオンラインライブコンサートを行い、歌会の異なるセッションごとに異なる価格設定があり、ユーザーは無料で一定時間試聴できますが、全て視聴したい場合は有料です。

抖音の公式情報によると、無料試聴と有料視聴が含まれ、「夏の歌会」の累計視聴回数は4000万回を超えています。その中、中国で大人気の女優・歌手である欧陽娜娜のライブの価格は6元であり、総視聴回数は750万回でした。

同年、抖音は有料短編ドラマ分野に進出し、各エピソードは最低1元から購入でき、ユーザーは個別のエピソードまたは一括で全エピソードを購入できました。これは「西瓜视频」がプラットフォーム有料会員制を導入した後、Bytedance社が動画コンテンツ二次収益化テストとしての2回目の試みでした。

その時、短編ドラマが初めて頭角を現わし、2020年1月に抖音は「2020抖音エンターテインメントホワイトペーパー」で短編ドラマ分野に進出することを表明し、「華誼星空」、「唐人影視」などのトップ映画製作会社と提携したことも発表しました。その後、初の抖音短編ドラマ『夢を見よう!ジンジン』(做梦吧!晶晶)の第1シーズンは再生回数2.8億の記録を残しました。その時の成功は、抖音が短編ドラマを起点にし、コンテンツの有料化を試みる自信を与えました。

今年3月、抖音は「寧萌影業」と協力し、短編ドラマ『29』を制作し、「爱优腾」(中国の大手オンラインビデオプラットフォームの「爱奇艺」「优酷」「腾讯视频」のことを指す)から「超前点播」(有料でまだ未公開のドラマエピスードにアクセス)の技を学びました。   ユーザーは84抖币で最後の4エピソードを一度にアンロックできます。ビデオの「いいね」数から計算すれば、有料ユーザーは1.2万人を超えています。

他の競合プラットフォームも有料コンテンツへの試みを行っています。視頻号は主にライブ分野で有料コンテンツを試みています。

2022年1月、視頻号はNBAの試合を生中継し、ユーザーは無料で3分間試聴でき、その後は9元(iOSユーザーは12.8元)を支払って視聴可能です。

一方、快手はショートビデオプラットフォームの有料コンテンツの「先行者」で、2020年から有料コンテンツの試みを開始し、アプリ内には専用の「有料内容コレクション」セクションが設けられています。このセクションは今もアクセスでき、「有料内容コレクション」にはレシピ、ECコース、生活知識、職業的スキル、スポーツなど、さまざまなカテゴリが表示されています。2021年、快手は有料短編ドラマを公開しました。

今年3月、快手の「磁力エンジンブランドセンター」のディレクターである陳烽氏は2022年の快手短編ドラマのDAUが2.6億人であり、有料ユーザーは昨年4月からの成長率が480%を超えたことを発表しました。

この取り組みは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を中心に据えた抖音にとって、コンテンツの有料化における大きな一歩です。

しかし、コンテンツの有料化の試みは常に順調ではありません。

2021年、ショートビデオ大手プラットフォームが有料ライブ配信を始め、オンラインコンサートが行われましたが、有料の視聴モデルは多くのユーザーに反感を抱かせました。2022年に抖音が再び「夏の歌会」を開催し、周深、汪苏泷、梁静茹など有名な歌手を招待しましたが、有料ライブではなくなりました。収益創出の形態はオンラインコンサートでの商品販売や広告スポンサーシップなどに変化しました。

同時に、有料ライブの権限が一般のクリエイターに移譲され始めました。

2022年3月、抖音は有料コラボ配信機能に注力し、ライブのホストがこの機能を有効にすると、視聴者は料金を支払ってホストとの連動が可能となりました。同時期に、視頻号も有料ライブの使用権をさらに拡大し、認証済みのクリエイターは有料ライブできるようになりました。

有料短編ドラマも同様の変化があります。

抖音は2021年に有料短編ドラマのテストを行いましたが、現在ではアプリ内にそれに関連するセクションがなく、特定の有料コンテンツを見つけるのが難しいということです。

2023年5月には、抖音が「红果免费短剧(紅果無料短編ドラマ)」というアプリを立ち上げ、現在は「番茄短剧(トマト短編ドラマ)」に改名されました。

このアプリは以前に月額有料コンテンツを導入したこともありますが、今ではしっかりと無料の方針に転換しています。これは無料のWeb小説の戦略と一致しており、まずユーザーのアクセスを引き寄せ、次に広告で収益を上げ、あるいは徐々に一部の優れたコンテンツを有料に追加する可能性があります。

先に有料化してから無料化するこのような試みは無駄ではなく、上から(プラットフォームのコンテンツ)下へ(クリエイターのコンテンツ)まで、収益化の答えはUGCにあるかもしれません。コンテンツの有料化の権限を一般のクリエイターに移譲し、一部のUGCを有料モデルに移行させ、次に分散型のコンテンツ配信を活かして、精密で分散した方法で有料コンテンツをユーザーに提供し、これによってコンテンツの有料化があるもののユーザーの反発を抑えることができます。

ユーザーがWeChatのサブスクリプションメッセージを開くと、最初に表示されるのはフォローしている公式アカウントが投稿したコンテンツです。しかし、抖音アプリやWeChat視頻号を開くと、デフォルトのページはおすすめページであり、フォローアクションは相対的に弱いです。兵舎は鉄で打たれたごとく、兵士は水に流れるごとき、短編ビデオプラットフォームの配信メカニズムにおいて、WeChatの視頻号やBilibiliとは異なり、コンテンツの品質が高くても、あるいはフォロワー数が多くても、視聴回数への影響はそれほど大きくありません。そのため、クリエイターは多くのコンテンツで「目立つ」ことを目指しています。

ユーザーがおすすめページで好きなコンテンツを見つけるという使用習慣は、プラットフォームがユーザーの閲覧コンテンツをより良く制御するのに役立っています。

抖音は2022年上半期に何度もテストを行い、結果としては「EC相関コンテンツの表示が8%を超えると、ユーザーリテンションと利用時間に明らかな否定的影響を与える」と発見しました。

ユーザーがどれだけの有料コンテンツに触れるか、その決定権もプラットフォームの手中にあります。これは、「中心集権的」なbilibiliなどとは異なる利点です。

「将来的にはショートビデオも有料になるのではないか」という誤解はありますが、有料コンテンツの推進自体が、抖音の「事業不振に対する焦慮」を物語っています。

「2023年中国のネット動画視聴調査報告書」のデータによれば、2022年12月時点で中国全ショートビデオプラットフォームのユーザー数は10.12億人で、全体のネットユーザーの94.8%を占め、1人あたりの1日の視聴時間は168分に達しています。言い換えれば、ほぼ中国全てのネットユーザーがショートビデオを視聴しており、その日々の視聴時間は2時間半にも及びます。抖音はショートビデオプラットフォームの中でも優れた存在であり、DAUは既に6億人に達しています。広告に関しても、長城証券のデータによれば、2022年には抖音の広告展示率が15%に迫っています(快手は約11%で、視頻号は2%)。この数字は既に理論的な最大値に達しています。

Bytedanceグループ全体から見れば、事業成長の悩みも結構あります。CEOである梁汝波氏は昨年末に、「企業の収益成長が鈍化している」と述べました。各アプリのDAUは増加していますが、年初に設定された目標には達していません。

昨年から、抖音は「軽商業」から「重商業」への展開の傾向があります。EC分野では、抖音は「货架电商」に力を入れています。オフラインでは、抖音は日常生活のビジネスシーンに手を伸ばし、「心动外卖」(フードデリバリーアプリ)を始め、さらには「抖音スーパー」を開業しました。

しかし、大半のことが必ずしも奇跡を起こすわけではありません。

抖音は今年の年内に経営方針を変更し、初めに設定したデリバリービジネスの1,000億元のGMV目標を放棄しました。「晚点LatePost」の報道によれば、営業目標を変更した理由は、抖音の上半期の業績が予想を下回ったからだとされています。

コンテンツを直接商品化することが必ずしも抖音の解決策ではないかもしれませんが、現段階では抖音が試す必要のある選択肢の1つです。

有料コンテンツの品質をどう管理し、無料と有料のコンテンツのバランスをどう取るかは、この一歩を踏み出した後に直面する課題です。結局のところ、Bilibiliではコンテンツの有料化が失敗するとクリエイターはフォロワー数だけを失いますが、抖音では「責任の所在」がプラットフォームになっています。


元記事: 抖音测试付费短视频,隔壁B站馋哭了

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