近年のWeiboやREDでも、「早C晩A」という言葉に関するコンテンツが頻繁に見られます。REDでは「早C晩A」に関するコンテンツが21万件あり、非常に人気を集めています。この新しい流行語は中国の若者の消費傾向と何らかの関連性があるのでしょうか?本記事ではこのキーワードを通じて中国の若者の消費トレンドを解読していきます。
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美顔のゴールデンミックス
ここ数年来、中国で若者のライフスタイルを象徴する言葉として流行っているものに「早C晚A」があります。元々は美顔のためのメソッドを表わす言葉であり、朝はビタミンCを含むサプリメント等を服用して肌艶をよくし、夜はビタミンAを含む製品でダメージを受けた肌を修復するーーそんなスキンケアの考え方に由来しています。いわば「C」と「A」は肌のケアと美容、そしてアンチエイジングのためのゴールデンミックスであり、最大限のスキンケア効果を実現する切り札というわけです。
その発展形もあります。「朝にC、夕にA、昼にB(ビタミンB)」、あるいは「朝にC、夕方にA、昼にK(カイセリン)」というパターンです。「カイセリン」とはプロテインキナーゼ(Protein kinase)のことで、タンパク質分子にリン酸基を付加する(リン酸化する)酵素を指します。日本人である筆者としては、なじみ深い“K(キナーゼ)”として、ぜひ「納豆キナーゼ(Nattokinase)」も入れておきたいところです。
「早C晩A」の各種パターン
さて、ネットユーザーたちは、この他にもさまざまな「早C晚A」を提唱しています。あるSNS投稿では次の組み合わせが挙げられていました。少し牽強にも思えるが、若者たちが大切にする価値観が透けて見えてきそうです。
●Clock & Achievement(時計と達成)
●Canteen & Accommodation(食堂と宿泊)
●Conscientious & Afterglow(誠実と余韻)
●Coffee & Arrangement(コーヒーと手配)
●Colorful & Animated(カラフルであることとアニメーション)
●Creature & Accumulate(生き物と蓄積)
コーヒーとお酒で刺激と癒し
いま最もポピュラーになっている「早C晩A」といえば「Coffee&alcohol」だろう。「朝はコーヒー、夜はアルコール」を嗜む若者はじつに多いです。その結果、早朝から夜遅くまで営業するカフェバーがビジネス面では旨味のある業容になります。上海市ではこの5年間で地下鉄や街角、住宅街など多くの場所にカフェが林立し、総店舗数が1万店を超えたと報じられています。このうち昼夜一貫営業のカフェバーも少なくないです。
ちなみに、中国で若者たちが求めるお酒は低アルコールのタイプが主流だ。男性が酒量の多さで武勇伝を誇ったのは過去の話しだといえます。若者はリキュール、ワイン、果実酒など、ほろ酔い加減(微醺wēi xūn)を楽しむ傾向がある。茅台酒フレーバーのカクテルやアイスクリーム、フルーツワイン、コカ・コーラのアルコール入りハードソーダなどもトレンディーなアイテムとなりました。
コロナ禍からアフターコロナへ
こうした若者の消費傾向は「悦己消費(自分を楽しませる消費)」という価値観で說明されることが多い。これは自分へのご褒美やストレス解消、自己表現などの目的で行われるアクションを指し、「ミーイズム」という言葉で說明されることもあります。趣味関連の商品、体験型のサービスなどに若者の関心が向けられるなか、“変形版”の「早C晚A」(朝はコーヒー、夜はアルコール)が彼らの消費トレンドを読み解くうえで重要なカギとなっています。
いま「コロナ禍」が終幕を迎えようとしている。“リベンジ消費”の掛け声のもと、旅行市場も活況を帯びてきました。しかし「コロナ禍(Corona)からアフターコロナ(After Corona)」へという“早C晩A”のなかで、今後どんな新たな消費トレンドが生まれてくるのか予測するのは容易いことではありません。注意深く今後の動向を見極めていく必要がありそうです。
元記事:「早C晚A」ー中国の若者たちの価値観や消費傾向を読み解くキーワード
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