少子高齢化が進む中国では銀髪経済(シニア層をターゲットとした経済マーケット)の発展が進んでいます。シニア層がどのような商品に興味があり、何を基準に購入の意思決定を行うのか。都市部と地方での違いとは。高齢者向け消費市場の現在とこれからの課題を調査しました。catalyst-crossing編集部が中国現地メディアの記事を日本語でお伝えします。
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福利厚生と年金財政制度の改善が進むにつれ、高齢者層の可処分所得源は増加し、特に子ども手当は銀髪市場を切り開いています。
iiMedia Researchのデータによると、中国の銀髪経済は2021年時点で6兆元にも迫る勢いです。その結果、養老分野のサービス構造は徐々に改善され、特に健康消費産業では、アリババヘルス、平安良医、善診などの新しいオンライン医療サービスが形成されています。
2021年中国のシルバー世代の主な消費カテゴリー
物質的な豊かさ及び人々の消費ニーズが向上したことで、中国の銀髪経済産業は継続的に細分化されています。iiMedia Researchのデータによると、現在中国の高齢者の主な消費財は、食品、日用品、医療・健康診断などの健康消費です。銀髪経済の発展は、多くの関連産業の発展も牽引することになります。
中国シニア用品カテゴリー消費量調査 2021年
iiMedia Researchによると、2021年の中国におけるシルバー層の主な消費は、日常消費(39.1%)と健康消費(40.9%)の2つに分けられるといいます。 iiMedia Researchのアナリストによると、シルバー層は加齢に伴い、健康問題に直面しているため、健康消費はシルバー層にとって最も重要な消費項目になっています。シルバー層は健康消費で医療保健以外に、病気の予防にも力を入れ始めています。
中国におけるシルバー層の日用消費財調査(2021年)
iiMedia Researchによると、日用消費財の中で、代表的な消費製品は、「衣料・靴」「健康食品」「日用品」の3つです。
中国におけるシルバー層の日常消費に関する意識調査(2021年)
iiMedia Researchによると、シニア層が日用品を購入する際に最も重視するのは「クチコミ」であり、「商品の外観」への注目度は比較的低いという結果が出ました。都市別にみると、一線都市の消費者はシニア用品を購入する際に、下図のすべての要素を考慮しますが、小さな町(四線及び四線以下)の消費者はほとんど「クチコミ」と「商品の価格」だけを気にしています。iiMediaコンサルティングのアナリストによると、シニアの経済消費に関しては、都市の差が主な影響要因であるといいます。大都市の消費者は選択できるカテゴリーが多く、品質にこだわるため、ブランドの選択であらゆる要素を考慮する必要があります。一方、地方の消費者は価格に敏感で、コストパフォーマンスを重視しています。
中国におけるシルバー層の日常消費悩みに関する地域の差(2021年)
調査データによると、シニアの4割近くが日常消費に困った経験があります。それは以下の3項目に集約されています。
品質が悪い(55.0%)
アフターサービスが悪い(49.5%)
商品が中高年層には合わない(36.9%)
さらに、シニアの所在地が違うと悩んでいることも異なります。一線都市は商品の品質に対する基準が最も高く、しっかりしてないアフターサービスに遭遇することが最も多いです。四線以下の都市は商品の選択肢が少なく、中高年やシニア層には適する商品が少ないという問題に遭遇することが多いです。
シニア商品の開発・サービスの充実が必要
調査データによると、シニア層が日常的に消費する際に遭遇する主な問題は、品質の悪さ、不完全なアフターサービス、中高年に適していない商品などです。
iiMediaのアナリストによると、シニア消費者の悩みは、高齢者向け消費市場にまだ改善すべき問題が多くあることを反映しており、シニア層向けの製品・サービスの品質向上と商品開発が、ブランドが業界で突出するための鍵となります。
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