中国では、美容（スキンケア・ヘアケア）関連は不動産、自動車、観光、通信に次いで人々にとって、第5位の消費となっています。中国消費者の所得の増加により、消費意欲も刺激を受け、娯楽消費への割合は増え続けています。生活水準の向上と生活の質の継続的な追求に伴い、消費者は美容業界に対するニーズが旺盛で、2025年には中国美容産業の規模は4,459億元に達すると予想され、着実な成長期に入っていると見られます。

iiMedia Researchのデータによると、中国のスキンケア産業全体は成長していき、2023年の市場規模は2,804億元となり、前年比9.3％増加しました。iiMedia Consultingのアナリストは、過去10年間中国のスキンケアブランドが消費者への投資と普及を続けていって、消費者のスキンケア・ヘアケアに対する意識が高まり、関連業界のスキンケアブランドの発展が促進されたと考えています。

また、iiMedia Researchのデータによると、2015年から2021年にかけて、中国のヘアケア商品産業の市場規模は480億元から581億4,000万元まで増加し続けています。この成長傾向から見てみると、市場規模は2025年までに、およそ664億8,000万元に達すると予想されています。

中国消費者がスキンケア商品を購入する際に重視する要素とは？

生活向上と消費観の変化に伴い、スキンケア商品は中国消費者の日常生活の中に欠かせないものになっています。競争市場環境において、増々多くのスキンケアのブランドが登場しており、企業はスキンケア商品のブランド力を保障しながら、商品の効果を継続的に向上させることに注力しています。

iiMedia Researchのデータによると、2023年に中国の消費者がスキンケア商品を購入する際に最も重視する要素は、以下の割合になっております。

・ブランド  (65.83%)

・価格         (58.65%)

・有効性      (52.30%)

・品質         (48.56%)

そのため、ブランドが中国のスキンケア市場において、中心的な鍵になるといえよう。

中国消費者がスキンケア商品を購入する先とは？

中国のEC発展により、通販は便利になっています。中国の消費者がオンライン買い物の際に、携帯電話とインターネット環境だけあれば、ECプラットフォームで購入する好きな商品が選択できます。ただし、オンラインでスキンケア商品購入には一定のリスクが伴うため、一部のオフライン購入チャネルも消費者の間で人気があると思われます。

iiMedia Research のデータによると、2023年に中国消費者がスキンケア商品を購入するプラットフォームの割合は以下になります。

・オンライン通販：46.76%

・美容院：　　　　46.28%

・オフライン店舗：46.16%

・専門店：　　　　44.24%

・スーパー：　　　28.30%

スキンケア商品を購入できるプラットフォームはさらに増えていき、消費者の選択肢も多くなっています。

中国消費者がヘアケア商品を購入する際に重視する要素とは？

中国消費者はスキンケアにこだわっているだけでなく、多忙な日常生活の中、仕事や勉強からのストレス、そして不規則な生活習慣などによる頭皮の健康問題に悩む人は少なくありません。そのため、頭皮ケアを重視しており、ヘアケア商品としてのシャンプーの機能は増々多様化しているとわかりました。したがって、効果が明らかなシャンプーは大多数の消費者に愛用されています。

iiMedia Researchのデータによると、2023年に中国の消費者が選んだシャンプーの機能を、最も重視している割合は以下になります。

・フケ防止効果：　43.17％

・髪質の弾力：　　40.53% 

・頭皮が脂っぽい：40.17%

・脱毛防止：　　　38.61%

・トリートメント：38.49%

一方、iiMedia Rankingが最新発表した「2023年中国シャンプーブランドトップ10」の順位とは下記になります。

・Head & Shoulders（ヘッド アンド ショルダーズ）

・Vidal Sassoon（ヴィダルサスーン）

・L'OREAL (ロレアル)

・Clear（清揚）

・PANTENE（パンテーン）

・飘柔

・Schwarzkopf（シュワルツコフ）

・呂

・霸王

・KERASTASE（ケラスターゼ）

そのなか、第一位になったHead & Shoulders（ヘッド アンド ショルダーズ）は87.29％占めており、Vidal Sassoon（ヴィダルサスーン）は86.11％、L'OREAL (ロレアル)は85.67％

という割合でランクインされていることがわかりました。

中国消費者のヘアケア商品の購入先とは？

iiMedia Research のデータによると、2023年に中国消費者がシャンプーを購入する先の順は以下になります。

・ショッピング モールのポスター：63.79%

・プロモーターの推奨： 　　　　　55.28% 

・電子商取引プラットフォーム：　 32.01%

・テレビ広告：　　　　　　　　　 30.34%

ヘアケア商品は日常生活の必需品であり、オフラインで購入することを好むことがよくあります。ショッピングモールは、商品と直接対面する機会を提供し、消費者が商品の品質、香り、効果などを直接体験することができます。さらに、ショッピング モールのプロモーターは専門的な商品をおすすめし、消費者の質問に直接答えることができるため、消費者の購入率が高まっています。

まとめ

中国消費者の主な消費の一つとして、美容業界（スキンケア・ヘアケア）は急速な発展の黄金期を迎えています。人々の美しさの追求はメイクアップから全体ケアへと移り変わり、スキンケア・ヘアケアの需要が高まっているとわかりました。それに、購入するスキンケア・ヘアケア関連商品のブランドは中国国産ブランドのみならず、海外ブランドも上位に入っています。いかに中国消費者のニーズに合わせて中国向けのプロモーションをかけるかが主な課題だと考えられます。

参考資料：

艾媒咨询 | 中国美容美发行业消费者行为调查数据

艾媒金榜 | 2023年中国洗发水品牌10强榜单