今年の春節は、消費市場が活況で、旅行や飲食、映画など多岐にわたりました。特に、映画市場や夜間経済は大きな成長を遂げ、予製料理の人気も高まりました。また、黄金や電気製品の需要も増加し、消費者の活気が全国に広がりました。catalyst-crossing編集部が中国現地メディアの記事を日本語でお伝えします。
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今年の春節(旧春節)期間中の消費市場は熱狂的でした。春節は中国国内で最も注目される伝統的な祝日であり、春節期間中の消費は、中国経済が景気かどうかだけではなく、中国国民の生活状況にも反映しています。今年の8日間の春節休みの中、多くの消費データが過去最高の記録と更新されました。持続的な国内需要は、中国国内市場の巨大な潜在力と中国経済の強力な強靭性が十分に示されました。
春節の文化観光業界の供給と需要が活況で、歴史的な最高値の記録を取った
2024年の春節には、中国の文化旅行市場が繁栄し、国内旅行と海外旅行市場が大きな成果を挙げました。中国文化観光部のデータセンターの計算によると、春節休みの8日間に全国で国内旅行者が4.74億人に達し、前年同期比で34.3%増加し、比較可能な基 準で2019年と比べ、19.0%増加しました。国内旅行者の総支出は6326.87億元で、前年同期比で47.3%増加し、比較可能な基 準で2019年と比べると、7.7%増加しました。また、2月17日には、携程(Ctrip.com)が発表したデータによると、国内観光地のチケット注文数が前年比60%以上増加し、海外観光地のチケット注文数が2019年と比べ、130%以上増加しました。観光消費の高度化が顕著で、ライブ・コンサートチケットの注文単価が前年比で倍増し、カスタマイズツアーの平均価格が前年比で20%増加しました。
iiMedia ResearchのCEO兼最高アナリストは、中国中央広播電台のインタビューに応えて、「今年の春節期間の観光市場には2つの主要のトレンドがあります。一つは東北のハルビン、長春、瀋陽などへの『北への冬のスポーツ旅行』であり、もう一つは三亜、ハイコウ、広州、深センなどへの『南方の島や温泉の旅行』である。今年の旧正月は、弊社による記録の中で、観光への消費が最も熱狂的な一年であり、国内旅行も国際旅行の売り高が大幅に増加しました。」と述べました。
海外旅行に出る人数の拡大することは春節期間中の観光業界の顕著な特徴の一つです。中国との査証(ビザ)相互免除協定の締約国数が増え続ける中、中国国民の海外旅行がますます容易になり、海外旅行が盛んになっています。携程(Ctrip.com)のデータによると、春節期間中、中国人観光客のマレーシア、シンガポール、タイへのパッケージツア注文数は前年比で15倍以上増加しました。中国文化観光部のデータセンターによると、春節休暇中、中国の入出国観光客は約683万人で、そのうちアウトバウンド観光客数は約360万人、インバウンド観光客数は約323万人でした。
春節の映画市場は熱烈な戦い、ミニドラマの人気は衰えず
春節休みが映画業界にとっては、非常に重要な時期です。
この期間、多くの人々が帰省し、家族と再会することは習慣的ですが、映画館は娯楽の場から春節の伝統的な家族団欒の雰囲気を楽しめる場に一変しました。多くの映画監督は、この時期に新作を発表し、休日の熱気と観客の映画鑑賞への情熱を利用して、良好な興行成績を上げることを期待しています。同時に、映画館も春節期間中の宣伝を強化し、より多くの観客を引き寄せます。
春節休暇が成功裏に終了すると、2024年の春節の興行成績(2月10日〜2月17日)も発表されました。国家映画局の初期統計によると、2024年の春節休暇の全国的な映画興行収入は801.6億元であり、前年の春節休暇の収入と比べ18.47%増加し、中国の映画歴史的な春節興行収入記録を打ち破りました。
主力映画は、「热辣滚烫」(YOLO)、「飞驰人生2」(Pegasus 2)、「熊出没·逆转时空」(Boonie Bears: Time Twist)、「第二十条」(Article 20)でした。「热辣滚烫」は特に優れた成績を収め、上映8日で累計興行収入が271.8億元を突破し、映画史上最高の春節休暇の劇場映画収入の記録を取りました。累計興行収入239.8億元の「飞驰人生2」がこれに続き、「熊出没·逆转时空」、「第二十条」もそれぞれ10億元以上の興行収入を達成しました。
今回の春節映画市場の盛況は、中国の映画産業の活況を示しています。しかし、注目すべきは、いくつかの映画が春節期間中の興行から撤退することが発表されました。映画「我们一起摇太阳」(Viva La Vida)、「黄貔:天降财神猫」(God of Money)、「红毯先生」(ムービー・エンペラー)、「八戒之天蓬下界」(Ba Jie)などが相次ぐ春節期間中の興行から撤退することが発表され、春節期間の映画市場の競争の激しさを反映しています。iiMedia Researchのアナリストは、「現実意義」、「社会テーマ」、「感情価値」提供する映画が今や新たな主流美意識となっており、中華の伝統文化を取り入れ、東洋の美学を称揚することが、映画の高い興行収入を達成する重要な鍵となっています。
この賑やかな春節映画市場において、最近人気を博しているミニドラマも見逃されていません。年明け前、国家広電総局ネットワーク視聴部は2024年の新春時期ドラマリストを発表しました。その中16本の優れたミニドラマが紹介されました。さらに、各大ショットビデオプラットフォームも積極的にミニドラマの制作に参加しており、抖音は「辰星計画」と共に2024年の春節優れたミニドラマリストを公開し、快手も「第四回金剧賞」の際に2024年の春節休休み・「星芒」ドラマリストを発表しました。
今回の春節休みに公開されたミニドラマでは、SNSで伝わるミニドラマ『我在八零年代当后妈』の日間視聴数が2千万を超えました。腾讯がプロデューサーとしたミニドラマ『授她以柄』は微博のエンターテイメントホットワードランキングに何度も登りました。人気女優の徐夢洁が出演した抖音のミニドラマ『大过年的』は、スターが試みるミニドラマで再び話題を呼びました。『逃出大英博物馆』の原作チームが制作した『小年兽与捉妖师』は、複数のプラットフォームで大ヒットしました。人気の背後には、ミニドラマの品質化と主流化の原因があります。
iiMedia Researchのデータによると、中国のインタネットミニドラマ市場は拡大傾向にあり、2023年には373.9億元に達し、前年比267.65%増加しました。2027年までに中国のネットワーク短編ドラマ市場は1006.8億元に達すると予想されています。中国のインタネットミニドラマ市場の規模化と体系への整えにつれて、業界はますます活気づいていくことが期待されています。
春節の飲食消費は熱狂的であり、ナイトエコノミーも依然として活況
オフラインからオンライン、都市から田舎まで、濃厚な春節の雰囲気が漂っています。今年の新春消費シーンは特に多様であり、濃厚な休日の雰囲気を演出しています。商務部のビッグデータモニタリングによると、除夕(大晦日)当日、一部の大規模チェーンスーパーマーケットのリアルタイム小売売上高は前年比約20%増加しました。除夕当日、ECプラットフォームのオンライン飲食売上高は前年比40.8%増加し、東北料理、西北料理、広東料理のオンライン売上高はそれぞれ270.6%、84.5%、59.2%増加しました。実店舗の小売りとオンライン飲食注文の大幅回復は、中国国民の休日飲食の多様性と差別化された需要を示しています。
美团が公表した2024年の春節「飲食・娯楽」消費観察によると、生活サービス業界は春節期間の「初売り」の大成功を収めました。データによると、春節休暇中の1日平均消費額は前年比36%増加し、2019年比で155%以上増加しました。このうち、広東、江蘇、四川、浙江、山東などの省の消費規模が全国のトップであり、各地域の経済活力と潜在能力を示しています。特筆すべきは、四線以下の地域の消費増加率が最も高く、下沉市场(Sinking market)が強力に回復し、休日経済の成長を刺激する「新エンジン」となっていることです。故郷への帰省や観光が活発している傾向の中、人々は小さな町の伝統と景区のナイトツアー体験を探求することに重点を置き、カスタマイズされた需要が消費をさらに高めますことも重要だと考えられます。
夜間経済(ナイトタイムエコノミ)は依然として活発です。春節期間中、各地で多くの新春ランタンフェス、ドラゴンダンスパフォーマンス、夜祭り、非物質文化遺産ショーなどの伝統的な文化と現代経済が組み合わさったイベントが開催され、人々の物質的生活を豊かにし、精神的文化的需要を高め、都市の繁栄に新しい力を注入しています。広東省を例にとると、広東省文化観光庁の公開データによると、2024年の春節休暇中、広東省の一人当たりの夜間文化観光消費支出は308.74元でした。人々の夜間消費支出構造から見ると、夜食の一人当たりの消費支出が最も高く、105.19元であり、全体の34.06%を占めています。次に、夜間の移動、宿泊、ショッピング、エンターテイメントがあり、それぞれの一人当たりの消費支出はそれぞれ47.74元、45.99元、44.93元、41.37元であり、それぞれの割合は15.46%、14.89%、14.55%、13.40%となっています。広東省の東部、西部、北部、珠三角の4つの地域から見ると、珠三角地域の一人当たりの夜間消費支出は最も高く、353.50元となっています。
半調理品の販売量が増加し、年貨の注目が高まっています。
iiMedia Researchが発表した「2024年中国の新年ギフトボックス消費者行動洞察報告」によると、半調理品は新春の贈り物としての新しい選択肢となっています。近年、半調理品はB2Cで大きな人気を博し、特に春節などの休日にはますます人気が高まっています。淘宝のデータによると、2024年の新春期間、「半調理品」、「半調理品の年夜飯(大晦日の晩ごはん)」などのキーワードの検索量は前年比で最も高く、20倍以上に増加しました。
「年夜飯」は春節のメインイベントの一つであり、有名なレストラン、半調理品メーカー、小売ブランドもこのトレンドに追随し、新年の半調理品ギフトボックスを発売しました。ブランドから見ると、半調理品の「年夜飯」製品を発売したのは、安井、正大食品などの半調理品メーカーだけでなく、大董、西貝、広州飯店、同庆楼、全聚德、紫光園、老誠一鍋などの有名な料理屋も含まれています。これらの企業の参入は、半調理品市場の広大な展望を示すだけでなく、消費者の多様性と個性化の需要を満たす点での半調理品の巨大なポテンシャルも証明しています。ECプラットフォームからオフラインのスーパーマーケットまで、「半調理品の年夜飯ギフトボックス」はより広範囲な市場とより多くの消費者をカバーし、人気が持続的に高まり、年夜飯の食卓で重要な役割を果たしています。
iiMedia Researchの調査データによると、2023年の中国の「年夜飯」相関業界の市場規模は1291.3億元であり、2026年までに2626.4億元に達すると予想されています。
バレンタインデーと春節の重ねは金製品や電子製品の消費を高まる。
春節以来、淘宝では「龍の年」に関連する金製品が継続的に販売されており、龍年の運を引き寄せるブレスレット、金の棒、金のブレスレットなどのキーワードの検索割合が三桁の増加となっており、同時に金製品の販売量は前年比で300%以上増加しています。バレンタインデーの直前には、「桃花」に関連する製品の淘宝の検索量が10倍以上に増加し、「桃花と金」の組み合わせは若者を魅了しています。
苏宁易购(Suning E-commerce)の公開データによると、苏宁易购上海浦东第一店がバレンタインデー当日、最初の「スマホの配達注文」の配達時間は午前0時06分でした。苏宁易购のオーダーを受けてすぐに利用可能なデリバリサービスは、春節休暇中で「即時小売り」の注文量は前年比で80%以上増加しました。
商務部の関連データによると、大年初一から初五までの祭りの商品販売は活況でした。商務部の「重点とする小売り企業」では、オーガニック食品、金・銀製品の売上高が前年比で10%以上増加しています。同時に、サービスへの消費も明らかに増加しており、監視対象のECプラットフォームの宿泊営業収益は前年比で60%以上増加しています。
旅行、小売り、飲食、映画など、私たちの日常生活と密接に関連する業界は、春節期間に目を引く活力を示し、消費者の一年中の消費熱意をさらに高め、より「熱烈で活発な」活力を注入しています。
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