日本企業の台湾進出!スーパーデリバリー インタビュー「台湾 toB 」市場で生き残る鍵は徹底的に現地化したマーケティング

日本企業の台湾進出!スーパーデリバリー インタビュー「台湾 toB 」市場で生き残る鍵は徹底的に現地化したマーケティング

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スーパーデリバリーは 日本企業の株式会社ラクーンコマース(RACCOON COMMERCE, Inc.)が2002年に立ち上げた B2B 向けオンライン販売サイトであり、主にBエンド市場を対象に、日本の衣料品から日用品、家電製品、菓子・飲料など各種商品を販売。2015年以来、134か国にサービスを展開、取り扱いメーカーは1800社近く、合計75万種類以上の商品が流通している。スーパーデリバリー世界戦略部の佐野正樹副部長が台北で近日開催の展示会出展で来台の際に、台湾を海外進出の1か国目に選んだ理由、台湾と他の国の市場の違い、将来のB2B 市場の動向についてお話いただいた。

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【写真1】スーパーデリバリー世界戦略部 佐野正樹副部長(写真提供:マイクロアド台湾)

海外進出において重要な国、台湾は毎年連続で売上首位をキープ

佐野副部長は、マイクロアド台湾との提携は海外市場へ拡大にあたって極めて重要であるとした。同氏は、国によって顧客の行動や市場の慣習に大きな違いがあるため、現地化による市場拡大が成功の秘訣としている。両者が提携を開始してすでに5年の歳月を経た現在、国際市場への拡大とは単に文字通りの「拡大」ではなく、現地の文化を理解することが必要だとし、「文化を理解した後の市場拡大と文化を理解できないままの市場拡大は全く違うということずっと確信しています」とした。これは、最も重要なことは現地語による提案力ではないことを示している。中華文化圏においても簡体字と繁体字なら意味の伝達方法が若干異なり、消費者が確実に正確な理解をするためには、チームによる公式サイトの用語やレイアウト設計だけでは不十分であり、時間の経過と真心のこもった戦略が最終的に消費者に伝わるとしている。
スーパーデリバリーは、既に134か国で事業を展開しているが、台湾は依然として売上NO1であり、香港、北米、韓国が後に続いている。ゆえに、海外市場展開強化の過程で、台湾がおのずと最初の進出の選択しとなっていた。佐野副部長が明かした今年の最新動向分析によると、ある国の市場展開を強化する前は英語が主要言語であるが、当然のことながら各国の利用習慣と違いについても考慮しなければならないとしている。「ただ、今年の重点的な努力目標は例年と変わらず、やはり各国のお客様がより便利にこのプラットフォームを使っていただくことです。十分な市場拡大において消費者利用の最適化は変わらない初心である。
台湾toB 市場の2つの大きな特殊性:

Shopeeの個人商店の販売への影響と顧客対応が鍵

佐野副部長によると、消費者へ直接販売する一般的なブランドと異なり、台湾のBエンド市場には2つの大きな課題が存在するという。1つ目は、Bエンド市場であるものの、台湾では多くの人が個人名義でShopeeアカウントを開設して、仕入と販売の役割を同時に担っている。これが市場の位置づけを複雑なものにしている。この問題を解決すべく、SDチームはターゲットの分析に労力を費やし、広告を入れて素材を最適化することでソリューションを改善した。しかし、この市場構造ゆえに台湾が他の市場よりもより困難であることが明確になった。2つ目は、Bエンド市場の取引金額が大きく、ゆえに顧客サポートシステムの設立が極めて重要になっている。一般消費者向けカスタマーシステムと比べて、Bエンド市場は需要の変化が早く、ピンポイントな対応システムにより、顧客のニーズを都度満たして信頼を獲得し、安定した事業提携関係を維持することが必要である。
また、佐野副部長は、国による商週刊の違いがもたらす課題も無視できないとした。アジアの消費者はすぐにプラットフォームが用意した各サービスを使いこなすが、北米市場の消費者は登録完了してもサービスを使用しないことが多々ある。この地域性による消費習慣の違いは会社の世界戦略策定における多くの課題をもたらした。また、商品選択も注目すべき要素だ。どの商品がヒットするかをチームが予想しても、実際の売上状況は予想外のものである。例えば、ヘアドライ用品が売れると予想していたところで、台湾市場では実際に「たわし」が売れたことはチームを大いに驚かせた。佐野副部長は、この以外な結果はビジネスへの深い理解とフレキシブルな対応がもたらしたものだとしている。

【写真2】スーパーデリバリー世界戦略部 佐野正樹副部長(写真提供:マイクロアド台湾)

5年間で台湾市場の売上が194%、会員数が 200%増加

また、佐野副部長によると、2020年にマイクロアド台湾と提携以来、台湾市場の売上は目覚しく増加し、今年度の台湾市場の売上額は194%、会員数は200%増加しているという。この売上はピンポイントな広告だけではなく、Japaholicでの投稿とInstagramアカウントの運営も重要な役目を果たしている。佐野副部長は文章もSNS投稿も単発かつ目立つように行っているため、問い合わせが耐えなく、影響力は予想を遥かに超えていたとしている。顧客が順調に増加するにつれ、スーパーデリバリーのB2Bサービスは成熟期を迎えている佐野副部長は、これまでのモデルに頼っていては成長できないため、今年度は展示会イベントを開催することを強調した。「私たちは常に新しいお客様の開拓を目指していますが、人口2300万人の台湾市場にもやがては限界が訪れます。そこで現在、基盤となるお客様の満足度を高め、確実にリピーターとなって長期的な関係を構築することに力を入れています。これこそが、我々が今努力すべき方向性です」とし、4月の展示会は570人が参加、うち90%が現在の顧客だったという。このような成功は予想を大きく上回るものであり、スーパーデリバリーに対する顧客の高い信頼と満足度を示している。
将来の市場の展望について、佐野副部長は、台湾が日本商品を比較的展開しやすい地区だとし、その主な要因は台湾と日本が国民性と消費習慣が似ているからだとしている。しかし、同氏は「台湾は非常に面白い国であり、理解が深まるほど、もっと多くのことを知り、新しい自分になっていることに気が付きます。進出だけなら簡単かもしれませんが、実際は簡単でありません。そして、これこそがスーパーデリバリー持続的成長の原動力です」

同氏はまず現地の市場の特徴と消費者ニーズを把握することが必要であり、それによって本当の成功が実現すると認識している。
マイクロアド台湾の田嶋夏美シニアビジネスコンサルタントもこの考えに同意し、近年はUNIQLOやドン・キホーテなど有名ブランドを含む日系企業の台湾出店が増えていることを指摘している。しかし、熾烈な市場競争に直面して、多くの選択肢の中から抜きんだ存在になり、消費者から一番に選ばれることは依然として困難である。田嶋氏は商品差別化と現地化が鍵であると強調。日本製品は台湾で依然として日本国内より高価であるが、商品の消費者人気と市場のポテンシャルに影響はない。
マイクロアド台湾は創業11年目を迎え、これからも企業と手を取り合って未来へ前進し、より深い市場分析と精密な戦略で、消費者が満足しながら、国境を越えたビジネス成功の実現を目指していきたい。

【写真3】左よりスーパーデリバリー世界戦略部 佐野正樹副部長、マイクロアド台湾  田嶋夏美シニアビジネスコンサルタント(写真提供/マイクロアド台湾)

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